第11回
周波数特性②:極・零点と多段回路
アナログ回路入門シリーズ第11回。回路図を見て、周波数特性の「極」と「零点」を読む方法を学び、オペアンプを2段にすると発振する理由まで見ます。
容量のインピーダンス1/(sC)からRCローパスの伝達関数を作り、分母が0になる点(極)をs平面に描いて、ボード線図(−20dB/dec、位相−45°→−90°)と対応させます。分子が0になる点(零点)も同じ見方で押さえます。
回路図からは、ノードごとの抵抗×容量(時定数)で極を見積もります。ソース接地回路のボード線図を、2つの極と右半平面零点を足して手で描き、帯域を決める主極(ドミナントポール)を時定数の和で求めます。
Cgdが極を押し広げる「極の分離(ポールスプリット)」を、極と零点が動く様子で確認します。
次に第4回の能動負荷の帯域を調べ、時定数が近いときは和で見積もる理由を見ます。第4回の回路を2つ並べた約1200倍の2段アンプでは、極は3つになります。
最後に、帰還をかけたときのループ利得T=βAと、位相が−180°になる周波数で|T|が1以上だと発振することを、ボード線図と時間波形で確認します。位相余裕と、主極を下げる補償容量の考え方(入口)までが今回の範囲です。
第10回の周波数特性①の続きで、次回はSKY130での実際のオペアンプ設計へつなぎます。
1導入:2段にしたら発振した
ずんだもん
オペアンプを2段にしたら、利得は増えたのに、発振しちゃったのだ!


ずんだもん質問
よろしくなのだ!回路図を見ただけで、ボード線図が描けるのだ?


2振り返り(第10回)


ずんだもん質問
ところで「極」と「零点」って、何のことなのだ?


3極とは:伝達関数とs平面



ずんだもん質問
分母が0って、割り算できないのだ!そんな点があって大丈夫なのだ?



ずんだもん
3.8GHz!前回のカットオフ周波数と、同じなのだ!


4ボード線図で極と零点を読む



ずんだもん質問
零点は、極と逆の働きなのだ?


5回路図から極を読む

ずんだもん質問
ノードって、どの点のことなのだ?



ずんだもん質問
高いほうは、ずいぶんずれたのだ?


6手で描く:極・零点を足していく(右半平面零点)


ずんだもん質問
道が2本あると、どうして零点ができるのだ?

ずんだもん
sがプラスの実数なのだ?s平面の右側なのだ!



ずんだもん質問
右側にあると、左側の零点と何がちがうのだ?


ずんだもん
利得は上向きなのに、位相は遅れるのだ?いいところがないのだ!


ずんだもん
45°より多かった分は、2つ目の極と零点だったのだ!
7主極と時定数の和
ずんだもん質問
帯域を決める低いほうの極は、もっと正確に手で見積もれないのだ?





ずんだもん質問
主極って、何が主なのだ?

8極の分離(ポールスプリット)

ずんだもん
低い極は下がって、高い極は上がったのだ!離れていくのだ!



ずんだもん質問
どうして、低い極は下がって、高い極は上がるのだ?


9能動負荷の帯域



ずんだもん
2つのノードの時定数が、同じくらいなのだ!




102段アンプの極
ずんだもん質問
もっとオペアンプの利得が欲しいときは、どうするのだ?


ずんだもん
1200倍なのだ!…でもボクの回路は、これで発振したのだ。





11帰還をかけると、なぜ発振するのか(入口)
ずんだもん質問
位相が180°遅れると、何が困るのだ?




ずんだもん
打ち消すはずの信号が、逆に足されちゃうのだ!



ずんだもん質問
利得を20倍にすると、何が変わるのだ?



ずんだもん
ボクのオペアンプが発振したのは、位相が180°回ったところで、Tがまだ1以上だったからなのだ!

ずんだもん
主極を下げたら、利得が早く下がってしまうのだ。






ずんだもん質問
Cgdと同じ場所なら、右半平面零点もできるのだ?

12まとめ

ずんだもん
主極は時定数の和で見積もれて、主極を下げる補償容量で、発振を止められるのだ!

ずんだもん
回路図から極を読んで、発振の理由もレポートに書けるのだ!


ずんだもん
最後まで読んでくれてありがとうなのだ!