第12回
設計:SKY130で2段CMOSオペアンプを作る
アナログ回路入門シリーズ第12回。公開PDKのSKY130と回路シミュレータngspiceを使い、2段CMOSオペアンプを設計します。
初心者が同じ手順をなぞれるように、構成と仕様から始め、長さL→電流→ミラー比→W/L→動作点の確認をひとつずつ進めます。
検証と調整は、R1のテール電流・飽和余裕と入力同相電圧の調整を一度実演します。ほかの変更はR1〜R4の履歴表にまとめます。ミラー比の設計では、Lを変えて比を作る罠を、ngspiceの結果で比較します。前半で直流の仕様を満たし、後半で補償容量Ccを入れます。ミラー補償による極の分離(ポールスプリット)を見て、UGFと位相余裕を合わせます。
R3ではCc=0.8 pFで位相余裕59.98°。最後に2段目のgm6を上げるR4で、利得71.6 dB・UGF 10.36 MHz・位相余裕69.5°へ。手計算とngspiceの差、時間応答、入出力の電圧範囲、設計チェックリストまで確認します。
1導入:自分でオペアンプを設計したい
ずんだもん
実験の課題がピンチなのだ!「仕様を満たすオペアンプを設計せよ」と書いてあるのだ。





2全体像:2段構成・パラメータ地図・設計の順序













3仕様:何をどれだけ満たすか







ずんだもん質問
電源は1.8 Vなのに、端まで使えないのだ?

4道具:SKY130 PDKとngspice
ずんだもん質問
設計は、何を使ってやるのだ?ボクのパソコンでもできるのだ?



5デバイス:説明用モデルと実プロセスの違い





6ステップ1:利得から長さLを決める



ずんだもん質問
gm/Idって、何なのだ?





7ステップ2:電流の予算を割り振る

ずんだもん質問
Ccは後で決めるのに、gm1を決められるのだ?



8ステップ3:ミラー比を決める・Lで比を作る罠


ずんだもん質問
比が合っていないと、どうなるのだ?
ずんだもん
Lを変えればW/Lが変わるから、電流の比も作れるのだ!




ずんだもん
Lでしきい値がずれて、同じゲート電圧での電流が変わるのだ!



9ステップ4:二乗則でW/Lを決める




ずんだもん質問
二乗則って、どれくらい当たるのだ?



ずんだもん質問
Vovを小さくするのは、どうしてなのだ?


10ステップ5:検証と調整・設計変更の履歴



ずんだもん質問
どこが手計算と違ったのだ?

ずんだもん質問
飽和できないと、電流源にならないのだ?

ずんだもん質問
電源の真ん中の0.9 Vなら、入力にも使えるのだ?



ずんだもん
範囲は、おおよそ0.97 Vから1.36 V。せまいのだ!



11ステップ6:Ccなしの応答を確かめる

ずんだもん質問
Ccがないと、どうなるのだ?

ずんだもん
位相余裕がマイナスなのだ!発振してしまうのだ!

12ステップ7:Ccで極を分離しUGFを合わせる


ずんだもん
低い極は下がって、高い極は上がるのだ!離れていくのだ!
ずんだもん:どうして、そうなるのだ?



ずんだもん
計算すると0.879pF。丸めて0.88pFなのだ!




13ステップ8:gm6を上げて位相余裕を確保(R4)

ずんだもん質問
Ccをもう少し大きくすれば、いいのだ?








ずんだもん質問
電流を増やしたのに、利得は71.6dBのままなのだ?


ずんだもん
やったのだ!最終設計で、仕様を満たしたのだ!

14最終結果:ボード線図・動作点・時間応答・入出力範囲

ずんだもん
2.8kHzって、ずいぶん低いのだ!







15手計算とngspiceのずれを読む

ずんだもん
近似と検証を組み合わせて、設計するのだ!
ずんだもん
λは、定数じゃなかったのだ!
16仕様を変えるときの調整と未評価の項目




17まとめ:設計の流れとチェックリスト


ずんだもん
これなら、自分の仕様でも、できそうなのだ!
18予告:第13回は帰還の基礎・第14回は補償設計

ずんだもん
最後まで読んでくれてありがとうなのだ!