ずんだもんと学ぶアナログ回路

第10回

周波数特性①:MOSFETの容量とミラー効果

アナログ回路入門シリーズ第10回。MOSFETの中の小さな容量が、周波数を上げたときの利得の低下をどう引き起こすかを学びます。

Cgs・Cgd・Cdb がどこにできるかを断面図で確認し、小信号モデルに描き足します。

容量のインピーダンスから、信号源抵抗と容量がつくるローパスフィルタを考え、ボード線図(dB・カットオフ周波数・位相)の読み方を押さえます。

ソース接地増幅回路の帯域を求め、小さなCgdが入力側で(1+|Av|)倍に見えるミラー効果とミラー容量、帯域との関係を整理します。

最後に遷移周波数fTを確認し、トランジスタ単体の速さの目安と回路の帯域が別物であることを見ます。

第3回のソース接地増幅回路の知識を使い、次回の極と零点へつなぎます。

YouTube で見る(12:05)
  • 四国めたん(解説)
  • ずんだもん(質問)

1導入:周波数を上げると利得が下がる

ずんだもん

交流の課題がピンチなのだ!周波数を上げると、実際の利得が、計算した利得より小さくなるのだ。

動画の画面(「交流の課題がピンチなのだ!周波数を上げると、実際の利得が、計算した利得より小さくなるのだ。」の場面)
図 1

四国めたん

今日は周波数特性。省いていた容量を戻して、利得が下がるしくみを見ましょう。

動画の画面(「今日は周波数特性。省いていた容量を戻して、利得が下がるしくみを見ましょう。」の場面)
図 2

ずんだもん

よろしくなのだ!

動画の画面(「よろしくなのだ!」の場面)
図 3

2振り返り:第3回で省略した容量

四国めたん

第3回のソース接地増幅回路を思い出して。利得は約−4だったわね。

四国めたん:あのとき、低い周波数だけを考えるので、容量は省略すると言ったの。

動画の画面(「あのとき、低い周波数だけを考えるので、容量は省略すると言ったの。」の場面)
図 4

ずんだもん質問

ボクの課題も、その省略が原因なのだ?

動画の画面(「ボクの課題も、その省略が原因なのだ?」の場面)
図 5

四国めたん

そうよ。周波数を上げると、MOSFETの中の小さな容量が効いてくるの。

動画の画面(「そうよ。周波数を上げると、MOSFETの中の小さな容量が効いてくるの。」の場面)
図 6

3MOSFETの容量:Cgs・Cgd・Cdb

四国めたん

第1回の断面図に戻りましょう。p型の基板に、n型のソースとドレインね。

四国めたん:容量は、2つの導体が、絶縁物をはさんで向き合うところにできるのよ。

動画の画面(「容量は、2つの導体が、絶縁物をはさんで向き合うところにできるのよ。」の場面)
図 7

四国めたん

まずはゲートとチャネル。薄い酸化膜をはさんで、コンデンサを作るの。

四国めたん:飽和領域では、チャネルはソース側につながり、ドレインの手前で途切れている。だからゲートとチャネルの間の容量は、Cgsとして数えるの。

四国めたん:長チャネルの飽和領域なら、大きさは、Cgs≈(2/3)WLCoxよ。

動画の画面(「長チャネルの飽和領域なら、大きさは、Cgs≈(2/3)WLCoxよ。」の場面)
図 8

四国めたん

Coxは、酸化膜の単位面積あたりの容量ね。

ずんだもん質問

ゲートの面積の、3分の2だけなのだ?

四国めたん

チャネルはドレインに近いほど薄いでしょう?だから電荷は、一様なときの3分の2なの。

四国めたん:容量は、電荷の変化を電圧の変化で割ったもの。その比も3分の2になるの。

動画の画面(「容量は、電荷の変化を電圧の変化で割ったもの。その比も3分の2になるの。」の場面)
図 9

四国めたん

次はCgd。ゲートの端は、ソースやドレインに少し重なっているの。

四国めたん:この重なりを、オーバーラップと呼ぶわ。ソース側の分は、Cgsに足されるの。

動画の画面(「この重なりを、オーバーラップと呼ぶわ。ソース側の分は、Cgsに足されるの。」の場面)
図 10

四国めたん

チャネルはドレインの手前で途切れるから、Cgdはほぼオーバーラップの分だけよ。

動画の画面(「チャネルはドレインの手前で途切れるから、Cgdはほぼオーバーラップの分だけよ。」の場面)
図 11

四国めたん

もう1つは、ドレインと基板のpn接合。空乏層が、絶縁物の役をするの。

四国めたん:これがCdb。ソース側にも同じようにCsbがあるけれど、ソース接地ではソースも基板もグラウンドなので、効かないの。

動画の画面(「これがCdb。ソース側にも同じようにCsbがあるけれど、ソース接地ではソースも基板もグラウンドなので、効かないの。」の場面)
図 12

4小信号モデルに容量を足す

四国めたん

第3回の小信号モデルに、この容量を描き足しましょう。

動画の画面(「第3回の小信号モデルに、この容量を描き足しましょう。」の場面)
図 13

四国めたん

CgsはGとSの間、CgdはGとDの間。CdbはDと基板(グラウンド)の間よ。

四国めたん:値は説明用に、Cgs=4.2fF(ソース側の重なりを含む)、Cgd=0.8fF、Cdb=2.0fFとするわ。

5容量とインピーダンス・RCローパス

ずんだもん質問

容量があると、どうして利得が変わるのだ?周波数も関係あるのだ?

動画の画面(「容量があると、どうして利得が変わるのだ?周波数も関係あるのだ?」の場面)
図 14

四国めたん

コンデンサは、直流は通さないけれど、交流は通すの。

四国めたん:しかも、周波数が高いほど、交流を通しやすくなるわ。

動画の画面(「しかも、周波数が高いほど、交流を通しやすくなるわ。」の場面)
図 15

四国めたん

低い周波数では、コンデンサにはほとんど電流が流れず、開放と同じ。だから第3回では省略できたの。

動画の画面(「低い周波数では、コンデンサにはほとんど電流が流れず、開放と同じ。だから第3回では省略できたの。」の場面)
図 16

四国めたん

容量のインピーダンスは1/(jωC)、ω=2πfよ。周波数が上がるほど、小さくなるの。

四国めたん:Cgsのような小さな容量でも、1GHzで約38 kΩ、10GHzでは約3.8 kΩよ。

動画の画面(「Cgsのような小さな容量でも、1GHzで約38kΩ、10GHzでは約3.8kΩよ。」の場面)
図 17

ずんだもん質問

そんなに小さくなったら、ゲートに電流が流れるのだ?

四国めたん

そうよ。高い周波数では、ゲートの電荷を出し入れする交流の電流が流れるの。

四国めたん:絶縁膜を電流が突き抜けるわけではないわ。「ゲートは開放」は低い周波数の話ね。

動画の画面(「絶縁膜を電流が突き抜けるわけではないわ。「ゲートは開放」は低い周波数の話ね。」の場面)
図 18

四国めたん

まずは、信号源の抵抗RSとCgsだけで考えましょう。RSは10 kΩにするわ。

動画の画面(「まずは、信号源の抵抗RSとCgsだけで考えましょう。RSは10kΩにするわ。」の場面)
図 19

四国めたん

RSとCgsの分圧ね。Cgsのインピーダンスが下がると、ゲートの電圧も下がるの。

四国めたん:ゲートの電圧が小さくなれば、増幅する前の信号が小さい。だから利得も下がるの。

動画の画面(「ゲートの電圧が小さくなれば、増幅する前の信号が小さい。だから利得も下がるの。」の場面)
図 20

四国めたん

つまりこれは、ローパスフィルタ(低域フィルタ)。低い周波数を通し、高い周波数を弱めるの。

ずんだもん質問

高い周波数ほど弱まるのを、どうやって見るのだ?

動画の画面(「高い周波数ほど弱まるのを、どうやって見るのだ?」の場面)
図 21

四国めたん

それを見るのが、ボード線図。周波数ごとの利得と位相を、1枚に描くの。

動画の画面(「それを見るのが、ボード線図。周波数ごとの利得と位相を、1枚に描くの。」の場面)
図 22

四国めたん

上の段は利得の大きさ、下の段は位相。同じ周波数で読むのよ。

動画の画面(「上の段は利得の大きさ、下の段は位相。同じ周波数で読むのよ。」の場面)
図 23

四国めたん

横軸は周波数の対数。目盛りが1つ進むと、周波数は10倍よ。

動画の画面(「横軸は周波数の対数。目盛りが1つ進むと、周波数は10倍よ。」の場面)
図 24

ずんだもん質問

どうして普通の目盛りじゃないのだ?

四国めたん

普通の目盛りで100GHzまで描くと、10MHzから1GHzは、いちばん左に固まってしまうの。対数なら、10倍ごとが等間隔よ。

動画の画面(「普通の目盛りで100GHzまで描くと、10MHzから1GHzは、いちばん左に固まってしまうの。対数なら、10倍ごとが等間隔よ。」の場面)
図 25

四国めたん

デシベルは、電圧利得の大きさの常用対数を20倍したもの。1倍が0dBね。

四国めたん:10倍なら+20dB、10分の1なら−20dB。

動画の画面(「10倍なら+20dB、10分の1なら−20dB。」の場面)
図 26

四国めたん

1/√2倍は約−3dB。マイナスは、1倍より小さい、という意味よ。

動画の画面(「1/√2倍は約−3dB。マイナスは、1倍より小さい、という意味よ。」の場面)
図 27

四国めたん

では、周波数を低いほうから順に、グラフを読んでいくわよ。

動画の画面(「では、周波数を低いほうから順に、グラフを読んでいくわよ。」の場面)
図 28

四国めたん

低い周波数では、利得はほぼ0dB。入力がそのまま出てくるの。

動画の画面(「低い周波数では、利得はほぼ0dB。入力がそのまま出てくるの。」の場面)
図 29

四国めたん

1/(ωCgs)がRSと等しい約3.8GHzで、−3dB。大きさが1/√2になるの。

動画の画面(「1/(ωCgs)がRSと等しい約3.8GHzで、−3dB。大きさが1/√2になるの。」の場面)
図 30

四国めたん

この点を、カットオフ周波数、または遮断周波数と呼ぶわ。

ずんだもん質問

どうして3dBで区切るのだ?

四国めたん

電力が半分になる点だからよ。振幅なら1/√2、約7割ね。

動画の画面(「電力が半分になる点だからよ。振幅なら1/√2、約7割ね。」の場面)
図 31

四国めたん

図の左の波形を見ると、出力の振幅は入力の約7割。少し遅れてもいるわ。

四国めたん:それより十分高いと、周波数が10倍ごとに、利得は約20dBずつ下がるわ。

動画の画面(「それより十分高いと、周波数が10倍ごとに、利得は約20dBずつ下がるわ。」の場面)
図 32

四国めたん

約38GHzは、カットオフの10倍。インピーダンスも振幅も、約10分の1ね。

ずんだもん質問

波が遅れるって、どういうことなのだ?

四国めたん

位相は、出力の波が入力からずれる角度。1周期が360°で、遅れはマイナスで描くわ。

四国めたん:位相は、低い周波数で0°。−3dBの点で45°遅れ、その先は90°遅れに近づくの。

動画の画面(「位相は、低い周波数で0°。−3dBの点で45°遅れ、その先は90°遅れに近づくの。」の場面)
図 33

四国めたん

カットオフ周波数は1/(2πRSCgs)。抵抗と容量の積τ=RSCgs(ここでは42ps)、つまり時定数で決まるのよ。

動画の画面(「カットオフ周波数は1/(2πRSCgs)。抵抗と容量の積τ=RSCgs(ここでは42ps)、つまり時定数で決まるのよ。」の場面)
図 34

ずんだもん

抵抗か容量が大きいほど、カットオフ周波数は低くなるのだ!

四国めたん

そのとおり。時定数がいくつかあっても、1つが飛び抜けて大きければ、それが帯域をほぼ決めるの。

動画の画面(「そのとおり。時定数がいくつかあっても、1つが飛び抜けて大きければ、それが帯域をほぼ決めるの。」の場面)
図 35

6ソース接地回路の帯域

ずんだもん質問

部品が全部入ったら、どうやって計算するのだ?

動画の画面(「部品が全部入ったら、どうやって計算するのだ?」の場面)
図 36

四国めたん

ソース接地増幅回路に、RSと容量を全部入れて、周波数ごとに節点方程式を解くわ。

動画の画面(「ソース接地増幅回路に、RSと容量を全部入れて、周波数ごとに節点方程式を解くわ。」の場面)
図 37

四国めたん

さっきと同じ順番で読みましょう。まずは、低い周波数の利得ね。

四国めたん:低い周波数では、利得は約4倍の12dB。第3回と同じね。

動画の画面(「低い周波数では、利得は約4倍の12dB。第3回と同じね。」の場面)
図 38

ずんだもん質問

12dBって、12倍のことなのだ?

四国めたん

違うわ。dBは対数だから、dBの足し算は倍率の掛け算になるの。6dBで約2倍だから、12dB=6dB+6dBは約2×2=4倍よ。

動画の画面(「違うわ。dBは対数だから、dBの足し算は倍率の掛け算になるの。6dBで約2倍だから、12dB=6dB+6dBは約2×2=4倍よ。」の場面)
図 39

四国めたん

低い周波数の利得から3dB下がるのが、約1.8GHz。ここまでを帯域と呼ぶわ。

動画の画面(「低い周波数の利得から3dB下がるのが、約1.8GHz。ここまでを帯域と呼ぶわ。」の場面)
図 40

四国めたん

帯域とは、利得がほぼ平らで、ほぼ同じ倍率で増幅できる範囲のことよ。

四国めたん:RCのときと同じく、低い周波数から、3dB下がる点を、カットオフ周波数と呼ぶの。

四国めたん:第8回や第9回で出てきた帯域も、同じ−3dBの点で測っていたのよ。

動画の画面(「第8回や第9回で出てきた帯域も、同じ−3dBの点で測っていたのよ。」の場面)
図 41

ずんだもん質問

帯域が広いと、何がうれしいのだ?

四国めたん

速い信号まで、ほぼ同じ倍率で増幅できるの。

動画の画面(「速い信号まで、ほぼ同じ倍率で増幅できるの。」の場面)
図 42

四国めたん

狭いと、速い変化がぼやけて、立ち上がりが遅くなるわ。

動画の画面(「狭いと、速い変化がぼやけて、立ち上がりが遅くなるわ。」の場面)
図 43

四国めたん

位相は、反転の180°に加えて、周波数が上がるほど遅れていくの。

動画の画面(「位相は、反転の180°に加えて、周波数が上がるほど遅れていくの。」の場面)
図 44

四国めたん

グラフは反転を除いた遅れ。−3dBの点では約50°よ。

四国めたん:45°より多いのは、出力側の容量が効くからよ。

四国めたん:Cgdだけを外して解くと、帯域は約3.6GHz。Cgdで、帯域が約半分になったの。

動画の画面(「Cgdだけを外して解くと、帯域は約3.6GHz。Cgdで、帯域が約半分になったの。」の場面)
図 45

ずんだもん質問

CgdはCgsの5分の1もないのだ。どうしてそんなに効くのだ?

動画の画面(「CgdはCgsの5分の1もないのだ。どうしてそんなに効くのだ?」の場面)
図 46

7ミラー効果

四国めたん

それがミラー効果よ。ポイントは、Cgdが入力と出力の間にあることなの。

動画の画面(「それがミラー効果よ。ポイントは、Cgdが入力と出力の間にあることなの。」の場面)
図 47

ずんだもん質問

ミラーって、第4回のカレントミラーの仲間なのだ?

動画の画面(「ミラーって、第4回のカレントミラーの仲間なのだ?」の場面)
図 48

四国めたん

別物よ。真空管の時代にこの効果を調べた、Millerという人の名前なの。

動画の画面(「別物よ。真空管の時代にこの効果を調べた、Millerという人の名前なの。」の場面)
図 49

四国めたん

入力が1 mV上がると、出力は約4倍の4 mVだけ下がるわね。

動画の画面(「入力が1mV上がると、出力は約4倍の4mVだけ下がるわね。」の場面)
図 50

四国めたん

するとCgdの両端の電圧差は、1−(−4)=5 mV。入力の5倍も変わるの。

ずんだもん

もう片方が逆向きに大きく動くから、差が広がるのだ!

四国めたん

そうね。電圧が5倍速く変わるので、電流も5倍。入力から見ると5倍の容量なの。

動画の画面(「そうね。電圧が5倍速く変わるので、電流も5倍。入力から見ると5倍の容量なの。」の場面)
図 51

四国めたん

利得を低い周波数の値で近似すると、Cgdは(1+|Av|)倍に見える。これがミラー容量よ。

動画の画面(「利得を低い周波数の値で近似すると、Cgdは(1+|Av|)倍に見える。これがミラー容量よ。」の場面)
図 52

ずんだもん質問

ミラー容量って、結局なんなのだ?本当にその容量があるのだ?

四国めたん

いいえ、本物の容量が増えるわけではないの。

動画の画面(「いいえ、本物の容量が増えるわけではないの。」の場面)
図 53

四国めたん

入力から見ると、Cgdが(1+|Av|)倍の容量に見えるだけよ。

四国めたん:Cgdの両端の電圧が、入力の(1+|Av|)倍の速さで変わるからね。

動画の画面(「Cgdの両端の電圧が、入力の(1+|Av|)倍の速さで変わるからね。」の場面)
図 54

四国めたん

信号源の抵抗RSは、この見かけの容量も充電しなければならないの。

動画の画面(「信号源の抵抗RSは、この見かけの容量も充電しなければならないの。」の場面)
図 55

四国めたん

すると入力の時定数が大きくなり、帯域が下がるの。数値はこのあと見るわ。

動画の画面(「すると入力の時定数が大きくなり、帯域が下がるの。数値はこのあと見るわ。」の場面)
図 56

ずんだもん

見かけの容量でも、充電の手間は本物なのだ!

四国めたん

出力側から見ると(1+1/|Av|)倍。こちらは、ほぼCgdのままね。

動画の画面(「出力側から見ると(1+1/|Av|)倍。こちらは、ほぼCgdのままね。」の場面)
図 57

四国めたん

この回路のミラー容量は約4.0fF。Cgsの4.2fFと、ほぼ同じよ。

動画の画面(「この回路のミラー容量は約4.0fF。Cgsの4.2fFと、ほぼ同じよ。」の場面)
図 58

四国めたん

入力の容量は、合わせて約8.2fF。Cgsだけのときの約2倍ね。

動画の画面(「入力の容量は、合わせて約8.2fF。Cgsだけのときの約2倍ね。」の場面)
図 59

四国めたん

RSと入力の容量8.2fFの時定数から、1/(2πRS·Cin)で見積もると約1.9GHz。数値で解いた1.8GHzと、ほぼ合うわ。

ずんだもん質問

出力側にも容量があるのに、そっちは効かないのだ?

動画の画面(「出力側にも容量があるのに、そっちは効かないのだ?」の場面)
図 60

四国めたん

数値で解いた1.8GHzが見積もりの1.9GHzより少し低いのは、出力側の時定数も、わずかに効くからよ。

動画の画面(「数値で解いた1.8GHzが見積もりの1.9GHzより少し低いのは、出力側の時定数も、わずかに効くからよ。」の場面)
図 61

四国めたん

出力側は、抵抗がRD∥ro≈4.6 kΩ、容量が約3fF。時定数は約14psで、入力側のRS×8.2fF≈82psの約6分の1よ。

四国めたん:さっきの話ね。1つの時定数が飛び抜けて大きいと、それが帯域をほぼ決めるの。

動画の画面(「さっきの話ね。1つの時定数が飛び抜けて大きいと、それが帯域をほぼ決めるの。」の場面)
図 62

ずんだもん

今回は入力の時定数がずっと大きいから、帯域をほぼ決めるのだ!

四国めたん

利得を上げるほど、ミラー容量も大きくなる。利得と帯域の取り合いね。

動画の画面(「利得を上げるほど、ミラー容量も大きくなる。利得と帯域の取り合いね。」の場面)
図 63

四国めたん

第4回の能動負荷では、利得が約35倍。Cgdは約36倍にも見えるわ。ただし、あの回路は出力側も遅いので、帯域は次回くわしく見ましょう。

動画の画面(「第4回の能動負荷では、利得が約35倍。Cgdは約36倍にも見えるわ。ただし、あの回路は出力側も遅いので、帯域は次回くわしく見ましょう。」の場面)
図 64

四国めたん

第6回のカスコードなら、M1のドレインはあまり動かない。ミラー効果も小さくなるの。

動画の画面(「第6回のカスコードなら、M1のドレインはあまり動かない。ミラー効果も小さくなるの。」の場面)
図 65

8遷移周波数fT

ずんだもん質問

トランジスタそのものは、どのくらい速く動けるのだ?

動画の画面(「トランジスタそのものは、どのくらい速く動けるのだ?」の場面)
図 66

四国めたん

その目安が、遷移周波数fT。出力電流と入力電流の比、つまり電流利得の大きさが1になる周波数よ。

動画の画面(「その目安が、遷移周波数fT。出力電流と入力電流の比、つまり電流利得の大きさが1になる周波数よ。」の場面)
図 67

四国めたん

直流の動作点は保ち、ドレインを交流的にグラウンドにして、ゲートに電流を入れるの。

動画の画面(「直流の動作点は保ち、ドレインを交流的にグラウンドにして、ゲートに電流を入れるの。」の場面)
図 68

四国めたん

出力の電流はほぼgm·vgs。ドレインは交流的にグラウンドなので、入力の電流はCgsとCgdの両方を流れて、周波数に比例して増えるの。

動画の画面(「出力の電流はほぼgm·vgs。ドレインは交流的にグラウンドなので、入力の電流はCgsとCgdの両方を流れて、周波数に比例して増えるの。」の場面)
図 69

四国めたん

比が1になる周波数が、fT≈gm/(2π(Cgs+Cgd))ね。

四国めたん:この例では、fTは約28GHz。帯域の1.8GHzより、ずっと高いわね。

動画の画面(「この例では、fTは約28GHz。帯域の1.8GHzより、ずっと高いわね。」の場面)
図 70

ずんだもん質問

トランジスタは速いのに、回路の帯域はずっと低いのだ?

動画の画面(「トランジスタは速いのに、回路の帯域はずっと低いのだ?」の場面)
図 71

四国めたん

そうなの。回路の帯域は、RSやRDとの時定数とミラー効果で決まるの。fTは単体の目安よ。

動画の画面(「そうなの。回路の帯域は、RSやRDとの時定数とミラー効果で決まるの。fTは単体の目安よ。」の場面)
図 72

四国めたん

fTを上げるには、gmを大きく、容量を小さく。Lを短くすると、その両方に効くの。

動画の画面(「fTを上げるには、gmを大きく、容量を小さく。Lを短くすると、その両方に効くの。」の場面)
図 73

9まとめ

四国めたん

まとめましょう。MOSFETには、Cgs・Cgd・Cdbなどの容量があるわ。

動画の画面(「まとめましょう。MOSFETには、Cgs・Cgd・Cdbなどの容量があるわ。」の場面)
図 74

四国めたん

ミラー容量とは、反転増幅のCgdが、入力から(1+|Av|)倍に見えること。

四国めたん:帯域は、利得が低い周波数の値から3dB下がる、カットオフ周波数までの範囲よ。

動画の画面(「帯域は、利得が低い周波数の値から3dB下がる、カットオフ周波数までの範囲よ。」の場面)
図 75

四国めたん

RSと容量はローパスフィルタ。飛び抜けて大きな時定数が、帯域をほぼ決めるの。

ずんだもん

今回の帯域は入力側の時定数でほぼ決まって、fTはトランジスタの速さの目安なのだ!

ずんだもん:小さなCgdが大きく見えるのだ!これで課題のレポートが書けるのだ!

動画の画面(「小さなCgdが大きく見えるのだ!これで課題のレポートが書けるのだ!」の場面)
図 76

四国めたん

次回は周波数特性②。極と零点で、多段回路の周波数特性を読み解きましょう。

動画の画面(「次回は周波数特性②。極と零点で、多段回路の周波数特性を読み解きましょう。」の場面)
図 77

ずんだもん

最後まで読んでくれてありがとうなのだ!