ずんだもんと学ぶアナログ回路

第3回

gmとソース接地増幅回路

アナログ回路入門シリーズ第3回です。

MOSFETで信号を増幅するカギは、相互コンダクタンス gm と小信号モデル。特性カーブの接線から gm を定義し、NMOSを小信号等価回路(gm·vgs の電圧制御電流源と ro の並列)に置き換える手順を、回路図を一つずつ変形しながら解説します。いちばん基本の増幅回路「ソース接地増幅回路」では、負荷線と入出力特性(大信号解析)を見たあと、小信号回路図への変形から電圧利得 Av = −gm(RD∥ro) を導き、グラフの傾きと一致することを確かめます。

後半は、小信号回路を速く解くコツ(入力抵抗 Rin・出力抵抗 Rout・Av = −Gm·Rout)を、ダイオード接続とソース抵抗 RS の例題で練習し、バイパス容量・結合容量、周波数特性と SPICE の AC 解析の考え方まで扱います。

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  • 四国めたん(解説)
  • ずんだもん(質問)

1導入:入力を大きくしたら波がゆがんだ

ずんだもん

増幅回路の課題が再提出なのだ!入力を大きくしたら、出力の波がゆがんだのだ。

動画の画面(「増幅回路の課題が再提出なのだ!入力を大きくしたら、出力の波がゆがんだのだ。」の場面)
図 1

四国めたん

直流の動作点と、そのまわりの小さな信号に分けて考えましょう。

四国めたん:カギはgmと小信号モデル。最後はソース接地増幅回路まで行くわ。

動画の画面(「カギはgmと小信号モデル。最後はソース接地増幅回路まで行くわ。」の場面)
図 2

ずんだもん

よろしくなのだ!今度こそ説明を書けるようにするのだ!

動画の画面(「よろしくなのだ!今度こそ説明を書けるようにするのだ!」の場面)
図 3

2バイアス点と小信号(大文字・小文字の表記)

四国めたん

第1回の測定回路に戻りましょう。VDSは1.2 Vで一定にしておくわ。

四国めたん:VGSの直流分は0.8 V。この動作点を、バイアス点と呼ぶの。

動画の画面(「VGSの直流分は0.8V。この動作点を、バイアス点と呼ぶの。」の場面)
図 4

四国めたん

ここに小さな信号vgsを重ねるわ。VGS=0.8 V+vgsね。

動画の画面(「ここに小さな信号vgsを重ねるわ。VGS=0.8V+vgsね。」の場面)
図 5

ずんだもん質問

大文字と小文字で、何が違うのだ?

動画の画面(「大文字と小文字で、何が違うのだ?」の場面)
図 6

四国めたん

大文字は直流と小信号の合計、小文字は小信号の成分だけ。電流もIDとidね。

動画の画面(「大文字は直流と小信号の合計、小文字は小信号の成分だけ。電流もIDとidね。」の場面)
図 7

四国めたん

ID–VGS曲線の上では、点がバイアス点のまわりを少し動くだけね。

動画の画面(「ID–VGS曲線の上では、点がバイアス点のまわりを少し動くだけね。」の場面)
図 8

四国めたん

バイアス点のまわりを拡大すると、曲線はほとんど直線に見えるの。

ずんだもん

曲線でも、せまい範囲なら直線とみなせるのだ!

四国めたん

そう。この接線で近似すれば、回路理論の線形回路として解けるのよ。

3なぜ大信号と小信号の2段階で解くのか

ずんだもん質問

そもそも、曲線のままだと、回路理論では解けないのだ?

四国めたん

重ね合わせの理やテブナンの定理、ラプラス変換は、どれも線形な回路が前提なの。

動画の画面(「重ね合わせの理やテブナンの定理、ラプラス変換は、どれも線形な回路が前提なの。」の場面)
図 9

四国めたん

でもMOSFETは、VGSを2倍にしても、IDは2倍にならない。非線形な素子なのよ。

四国めたん:だから2段階で解くの。まず大信号解析。非線形のまま、直流の動作点を求めるわ。

四国めたん:次に小信号解析。動作点のまわりで線形にした回路で、変化分だけを解くの。

動画の画面(「次に小信号解析。動作点のまわりで線形にした回路で、変化分だけを解くの。」の場面)
図 10

ずんだもん質問

全然わからないのだ。同じ回路を、なんでわざわざ2回も解くのだ?

四国めたん

数値ならまとめて解けるわ。でも分けて解くと、利得がgmや抵抗の式で見通せるの。

四国めたん:全体は、直流の動作点と小信号の和。こう足せるのは、線形とみなせる範囲だけよ。

動画の画面(「全体は、直流の動作点と小信号の和。こう足せるのは、線形とみなせる範囲だけよ。」の場面)
図 11

4gm の定義:接線の傾き

四国めたん

接線に戻りましょう。この傾きを、相互コンダクタンスgmと呼ぶの。

動画の画面(「接線に戻りましょう。この傾きを、相互コンダクタンスgmと呼ぶの。」の場面)
図 12

四国めたん

式で書くとgm=∂ID/∂VGS。VDSは一定のまま微分するのよ。

動画の画面(「式で書くとgm=∂ID/∂VGS。VDSは一定のまま微分するのよ。」の場面)
図 13

四国めたん

つまり小信号では、id=gm·vgs。電圧の変化が、電流の変化になるの。

四国めたん:単位はS(ジーメンス)。mA/Vとも書き、1 mA/Vは1 mSよ。

5飽和領域での gm = K·Vov=2·ID/Vov

四国めたん

飽和領域ではID=½K·Vov²。Vov=VGS−Vthね。チャネル長変調は、ひとまず無視するわ。

四国めたん:VGSで微分すると、gm=K·Vov。Vovに比例して大きくなるの。

動画の画面(「VGSで微分すると、gm=K·Vov。Vovに比例して大きくなるの。」の場面)
図 14

四国めたん

IDを使うと、gm=2·ID/Vov、または gm=√(2K·ID)とも書けるわ。

動画の画面(「IDを使うと、gm=2·ID/Vov、または gm=√(2K·ID)とも書けるわ。」の場面)
図 15

四国めたん

式のIDやVovには、バイアス点の値を入れるのよ。

6数値例と小信号とみなせる条件

四国めたん

第1回のモデル(K=2 mA/V²、Vth=0.4 V、λ=0.1 V⁻¹)で計算しましょう。バイアス点でのIDは約0.18 mAよ。

四国めたん:Vovは0.4 Vだから、gm=2·ID/Vovで約0.9 mA/Vね。

ずんだもん質問

あれ?K·Vovだと0.8 mA/Vなのだ。合わないのだ?

四国めたん

鋭いわね。差は(1+λVDS)=1.12倍の分。2·ID/Vovなら、それも含むの。

ずんだもん質問

ところで、小信号って、どれくらい小さければいいのだ?

四国めたん

vgsを10 mV振ると、idは約9 µA。ほぼgm·vgsのとおりね。

ずんだもん質問

じゃあ、100 mV振っても同じなのだ?

四国めたん

上に振ると約+0.10 mA、下だと約−0.08 mA。上下でずれてしまうの。

四国めたん:vgsがVovの2倍(ここでは0.8 V)より十分小さいこと。これが小信号とみなせる条件よ。

動画の画面(「vgsがVovの2倍(ここでは0.8V)より十分小さいこと。これが小信号とみなせる条件よ。」の場面)
図 16

7NMOS の小信号等価回路(4つの手順)

四国めたん

では、NMOSを小信号でどう表すか、回路図で順番に見ていきましょう。

動画の画面(「では、NMOSを小信号でどう表すか、回路図で順番に見ていきましょう。」の場面)
図 17

四国めたん

手順1。まず、直流のバイアスと小信号を分けて考えるの。

四国めたん:直流電圧源は、小信号では電圧が変わらない。だから短絡、グラウンドね。

四国めたん:直流電流源は、小信号では電流が変わらない。だから開放になるわ。

動画の画面(「直流電流源は、小信号では電流が変わらない。だから開放になるわ。」の場面)
図 18

ずんだもん

変化が0だから、電圧0なら短絡、電流0なら開放なのだ!

ずんだもん:ちょっと待つのだ。電源を消したら、トランジスタは動かなくなるのだ?

四国めたん

消すのは、小信号の回路の中だけよ。直流の動作点は、大信号解析で求めてあるの。

動画の画面(「消すのは、小信号の回路の中だけよ。直流の動作点は、大信号解析で求めてあるの。」の場面)
図 19

四国めたん

その動作点は、gmやroの値に入っている。電源の役目は、ちゃんと残っているのよ。

四国めたん:抵抗は電圧と電流が比例するから、変化分にも同じR。小信号でもそのままよ。

ずんだもん質問

じゃあ、コンデンサはどうなるのだ?

動画の画面(「じゃあ、コンデンサはどうなるのだ?」の場面)
図 20

四国めたん

直流では電流が流れないから開放。小信号では、インピーダンス1/(jωC)ね。

四国めたん:このインピーダンスは、容量が大きく周波数が高いほど小さい。まわりの抵抗より十分小さければ、短絡とみなせるの。

動画の画面(「このインピーダンスは、容量が大きく周波数が高いほど小さい。まわりの抵抗より十分小さければ、短絡とみなせるの。」の場面)
図 21

四国めたん

手順2。G・D・Sの3端子は、そのまま小信号モデルの3端子になるわ。

四国めたん:ゲートには電流が流れないから、GとSの間は開放ね。

動画の画面(「ゲートには電流が流れないから、GとSの間は開放ね。」の場面)
図 22

四国めたん

vgsはゲートとソースの間の小信号電圧。ゲート側をプラスにとるの。

四国めたん:手順3。DからSの向きにgm·vgsを流す、電圧制御電流源を置くわ。

ずんだもん

第1回で出てきた、従属電源そのものなのだ!

四国めたん

手順4。前回のチャネル長変調の分として、並列にroを入れるの。

四国めたん:前回求めたとおり、VGS=0.8 Vならroは約62 kΩね。

動画の画面(「前回求めたとおり、VGS=0.8Vならroは約62kΩね。」の場面)
図 23

四国めたん

まとめると、id=gm·vgs+vds/ro。vdsは、ドレインとソースの間の小信号電圧よ。

四国めたん:基板はソースにつないだままなので、基板バイアス効果の項は0になるわ。

四国めたん:それから、低い周波数だけを考えるので、MOSFETの容量も省略しているわ。

動画の画面(「それから、低い周波数だけを考えるので、MOSFETの容量も省略しているわ。」の場面)
図 24

四国めたん

測定回路に当てはめると、VDSの電源は短絡。vds=0で、id=gm·vgsね。

動画の画面(「測定回路に当てはめると、VDSの電源は短絡。vds=0で、id=gm·vgsね。」の場面)
図 25

四国めたん

置き換えを表にしましょう。基本は、電圧と電流の関係の、動作点での傾きなの。

動画の画面(「置き換えを表にしましょう。基本は、電圧と電流の関係の、動作点での傾きなの。」の場面)
図 26

8固有利得 gm·ro

四国めたん

gm·roは固有利得と呼ばれ、トランジスタ1個で得られる利得の目安よ。

四国めたん:この例では、gm·roは約56倍。ro≈1/(λID)を使うと近似式2/(λVov)になり、50が目安ね。

動画の画面(「この例では、gm·roは約56倍。ro≈1/(λID)を使うと近似式2/(λVov)になり、50が目安ね。」の場面)
図 27

9ソース接地増幅回路:負荷線と入出力特性

四国めたん

いよいよ増幅回路。ドレインにRDとVDD、ソースは接地。これがソース接地増幅回路よ。

動画の画面(「いよいよ増幅回路。ドレインにRDとVDD、ソースは接地。これがソース接地増幅回路よ。」の場面)
図 28

四国めたん

ここではVDD=1.8 V、RD=5 kΩ。入力VINはゲートに加えるわ。

四国めたん:出力はドレインの電圧VOUT。VOUT=VDD−RD·IDね。

動画の画面(「出力はドレインの電圧VOUT。VOUT=VDD−RD·IDね。」の場面)
図 29

ずんだもん質問

IDが増えると、RDでの電圧降下が増えて、出力は下がるのだ?

四国めたん

その通り。でもIDは、VDS=VOUTでも変わるから、2つの式を連立して解くの。

四国めたん:IDの式は非線形なので、数値で解くわ。これが大信号解析よ。

動画の画面(「IDの式は非線形なので、数値で解くわ。これが大信号解析よ。」の場面)
図 30

四国めたん

グラフでは、RDの直線とMOSFETの特性の交点。この直線を負荷線と呼ぶわ。

動画の画面(「グラフでは、RDの直線とMOSFETの特性の交点。この直線を負荷線と呼ぶわ。」の場面)
図 31

ずんだもん

VINを上げるとMOSFETの曲線が上に動いて、負荷線との交点が左へ動くのだ!

四国めたん

そう。VINごとに交点のVOUTを求めて、つないだのが入出力特性のグラフよ。

四国めたん:Vthまでは電流がほとんど流れないから、VOUTはほぼVDDのままね。

動画の画面(「Vthまでは電流がほとんど流れないから、VOUTはほぼVDDのままね。」の場面)
図 32

四国めたん

Vthを超えると飽和領域。VOUTが急に下がっていくわ。

四国めたん:境目はVOUT=VIN−Vthの線。VINが約0.9 V、VOUTが約0.5 Vで、線形領域に入るの。

四国めたん:急に下がる途中のVIN=0.8 Vにバイアスすると、VOUTは約0.92 Vよ。

四国めたん:この点での傾きが、小信号の電圧利得Avになるの。

動画の画面(「この点での傾きが、小信号の電圧利得Avになるの。」の場面)
図 33

10小信号回路への変形と Av = −gm(RD∥ro)

四国めたん

ここからは小信号解析。回路図を順に変形して、この利得を求めましょう。

四国めたん:手順1。VDDは直流電圧源だから、小信号ではグラウンドにつなぐの。

動画の画面(「手順1。VDDは直流電圧源だから、小信号ではグラウンドにつなぐの。」の場面)
図 34

四国めたん

入力の直流0.8 Vも短絡。残るのは、小信号のvinだけね。

ずんだもん

RDの上の端が、グラウンドにつながったのだ。

四国めたん

手順2。NMOSを、さっきの小信号モデルに置き換えるわ。

動画の画面(「手順2。NMOSを、さっきの小信号モデルに置き換えるわ。」の場面)
図 35

四国めたん

ゲートにはvin、ソースはグラウンド。だからvgs=vinね。

四国めたん:手順3。よく見ると、roもRDも、出力とグラウンドの間にあるでしょう?

ずんだもん

両方とも同じ2点につながっているから、並列なのだ!

四国めたん

描き直すと、gm·vinの電流源に、RD∥roがつながった形になるの。

四国めたん:電流源は出力からgm·vinを引き抜くので、vout=−gm·vin·(RD∥ro)。

動画の画面(「電流源は出力からgm·vinを引き抜くので、vout=−gm·vin·(RD∥ro)。」の場面)
図 36

四国めたん

だからAv=−gm(RD∥ro)。マイナスは、入力と逆向きに動くという意味よ。

四国めたん:gmはVDSが1.2 Vから0.92 Vに下がった分、少し小さい約0.87 mA/V。RD∥roは5 kΩ∥62 kΩで約4.6 kΩ、Avは約−4ね。

ずんだもん

グラフの傾きとも、ちゃんと合っているのだ!

動画の画面(「グラフの傾きとも、ちゃんと合っているのだ!」の場面)
図 37

四国めたん

10 mVの入力を入れると、出力は約40 mVの、逆向きの波になるわ。

11出力の振れ幅の限界

四国めたん

出力の振れ幅には限りがあるわ。入力を+100 mV振ると、出力は約0.5 Vまで下がって、もう飽和領域の境目なの。

四国めたん:回路では、信号を入れても飽和領域を外れないことも必要なの。

動画の画面(「回路では、信号を入れても飽和領域を外れないことも必要なの。」の場面)
図 38

122つの解析でわかること

ずんだもん質問

結局、大信号と小信号で、それぞれ何がわかるのだ?

四国めたん

大信号解析では、動作点と動作領域。出力の振れ幅の限界や、ゆがみもわかるわ。

動画の画面(「大信号解析では、動作点と動作領域。出力の振れ幅の限界や、ゆがみもわかるわ。」の場面)
図 39

四国めたん

小信号解析では、利得や入力抵抗・出力抵抗。容量を入れれば周波数特性もよ。

動画の画面(「小信号解析では、利得や入力抵抗・出力抵抗。容量を入れれば周波数特性もよ。」の場面)
図 40

13小信号回路を速く解くコツ:Rin・Rout・Gm

四国めたん

ここからは、小信号回路を速く解くコツを、例題で練習しましょう。

動画の画面(「ここからは、小信号回路を速く解くコツを、例題で練習しましょう。」の場面)
図 41

四国めたん

まず入力抵抗Rin。入力から見た抵抗で、ソース接地ではゲートだから無限大よ。

四国めたん:出力抵抗Routは、入力を0にしたときに、出力から見た抵抗。RD∥roで約4.6 kΩね。

動画の画面(「出力抵抗Routは、入力を0にしたときに、出力から見た抵抗。RD∥roで約4.6kΩね。」の場面)
図 42

四国めたん

求め方は、出力にテスト電源vxをつなぎ、流れ込む電流ixを計算。Rout=vx/ixよ。

動画の画面(「求め方は、出力にテスト電源vxをつなぎ、流れ込む電流ixを計算。Rout=vx/ixよ。」の場面)
図 43

四国めたん

利得は、入力を電流に変える割合Gmと、Routの積。Av=−Gm·Routと考えるの。

ずんだもん

ソース接地ならGm=gmだから、Av=−gm(RD∥ro)が、すぐ出るのだ!

動画の画面(「ソース接地ならGm=gmだから、Av=−gm(RD∥ro)が、すぐ出るのだ!」の場面)
図 44

四国めたん

練習に、ゲートとドレインをつないだMOSFET。ダイオード接続と呼ぶ形よ。

動画の画面(「練習に、ゲートとドレインをつないだMOSFET。ダイオード接続と呼ぶ形よ。」の場面)
図 45

四国めたん

vgs=vxで、ix=gm·vx+vx/ro。抵抗は、1/gmとroの並列ね。

四国めたん:roのほうがずっと大きいから、抵抗はほぼ1/gm。第4回で、この形を使うわ。

動画の画面(「roのほうがずっと大きいから、抵抗はほぼ1/gm。第4回で、この形を使うわ。」の場面)
図 46

四国めたん

次は、ソースとグラウンドの間に抵抗RSを入れた回路。仮にRS=1 kΩとするわ。

動画の画面(「次は、ソースとグラウンドの間に抵抗RSを入れた回路。仮にRS=1kΩとするわ。」の場面)
図 47

四国めたん

まず大信号。RSで約0.18 V落ちる分、ゲートの直流を1.0 Vに上げると、VOUTは約0.88 Vで、飽和領域のままよ。

動画の画面(「まず大信号。RSで約0.18V落ちる分、ゲートの直流を1.0Vに上げると、VOUTは約0.88Vで、飽和領域のままよ。」の場面)
図 48

四国めたん

小信号では、ソースの電圧がid·RS。だからvgs=vin−id·RSになるの。

四国めたん:roを省くと、Gm=gm/(1+gm·RS)。もとのgmより小さくなるわ。

動画の画面(「roを省くと、Gm=gm/(1+gm·RS)。もとのgmより小さくなるわ。」の場面)
図 49

四国めたん

Av=−Gm·RDを整理すると、Av≈−RD/(RS+1/gm)。約−2.3で、モデルの傾きも約−2.2よ。

ずんだもん質問

利得が下がっちゃったのだ。何がうれしいのだ?

四国めたん

gmが1割変わっても、利得は約5%しか変わらない。RSなしなら1割そのまま変わるから、ゆがみにくくなるの。

動画の画面(「gmが1割変わっても、利得は約5%しか変わらない。RSなしなら1割そのまま変わるから、ゆがみにくくなるの。」の場面)
図 50

四国めたん

1/gmは、MOSFETをソースから見た抵抗。くわしくは第5回で見ましょう。

動画の画面(「1/gmは、MOSFETをソースから見た抵抗。くわしくは第5回で見ましょう。」の場面)
図 51

ずんだもん質問

RSに大きなコンデンサを並列につないだら、どうなるのだ?

動画の画面(「RSに大きなコンデンサを並列につないだら、どうなるのだ?」の場面)
図 52

四国めたん

小信号では短絡なので、RSが消えて利得は約−4。これをバイパス容量と呼ぶの。

動画の画面(「小信号では短絡なので、RSが消えて利得は約−4。これをバイパス容量と呼ぶの。」の場面)
図 53

ずんだもん質問

信号源の直流が0 Vだったら、ゲートの0.8 Vはどうやってかけるのだ?

動画の画面(「信号源の直流が0Vだったら、ゲートの0.8Vはどうやってかけるのだ?」の場面)
図 54

四国めたん

間に結合容量を入れて、ゲートには大きな抵抗RG(仮に100 kΩ)を通して0.8 Vをかけるの。

四国めたん:直流では容量は開放。ゲートに電流は流れないから、ゲートは0.8 Vのままよ。

動画の画面(「直流では容量は開放。ゲートに電流は流れないから、ゲートは0.8Vのままよ。」の場面)
図 55

四国めたん

小信号では容量も0.8 Vも短絡。入力抵抗は無限大から、RGの100 kΩに変わるの。

動画の画面(「小信号では容量も0.8Vも短絡。入力抵抗は無限大から、RGの100kΩに変わるの。」の場面)
図 56

14周波数特性と SPICE の AC 解析

ずんだもん質問

コンデンサを、1/(jωC)のまま残したら、どうなるのだ?

四国めたん

利得が周波数で変わるの。それをグラフにしたのが、周波数特性よ。

動画の画面(「利得が周波数で変わるの。それをグラフにしたのが、周波数特性よ。」の場面)
図 57

四国めたん

今日の利得は、結合容量を短絡、MOSFETの容量を開放とみなせる周波数の値よ。

四国めたん:SPICEのAC解析は、まさにこれ。動作点で線形にした回路を、周波数ごとに解くの。

動画の画面(「SPICEのAC解析は、まさにこれ。動作点で線形にした回路を、周波数ごとに解くの。」の場面)
図 58

ずんだもん質問

じゃあAC解析で入力を1 Vにしたら、出力はゆがむのだ?

四国めたん

ゆがまず約4 Vと出るわ。電源は1.8 Vなのにね。振れ幅やゆがみは過渡解析で見るの。

動画の画面(「ゆがまず約4Vと出るわ。電源は1.8Vなのにね。振れ幅やゆがみは過渡解析で見るの。」の場面)
図 59

四国めたん

MOSFETの中の容量と周波数特性は、第10回でくわしく見ましょう。

15まとめ

四国めたん

まとめましょう。gmは、バイアス点での接線の傾きよ。

四国めたん:NMOSの小信号モデルは、ゲート開放、gm·vgsの電流源とroの並列ね。

動画の画面(「NMOSの小信号モデルは、ゲート開放、gm·vgsの電流源とroの並列ね。」の場面)
図 60

ずんだもん

ソース接地増幅回路の利得は、Av=−gm(RD∥ro)なのだ!

四国めたん

回路は、大信号で動作点、小信号で利得や抵抗を求める。この2段階が基本よ。

動画の画面(「回路は、大信号で動作点、小信号で利得や抵抗を求める。この2段階が基本よ。」の場面)
図 61

ずんだもん

大きく振ってゆがんだのは、小信号の条件を外れたからなのだ。再提出の説明が書けるのだ!

四国めたん

次回は、この利得をもっと大きくする工夫を見ていきましょう。

ずんだもん

最後まで読んでくれてありがとうなのだ!