ずんだもんと学ぶアナログ回路

第8回

オペアンプ入門:2つのルールで増幅回路と積分回路を解く

アナログ回路入門シリーズ第8回。「オペアンプで10倍の増幅回路を作れ」という課題から、使い方と中身を学びます。

前半はオペアンプが初めての方向け。端子と働き、負帰還、仮想短絡(バーチャルショート)、入力電流のルールを確認し、

フォロワ・非反転増幅・反転増幅・積分回路を、オームの法則や分圧、KCLから順に解きます。

後半はシリーズの続きとして、CMOSで三角形の中身を作ります。第7回の差動対1段から2段へ進み、

利得不足や帰還抵抗の負荷、帯域・出力範囲・オフセットが、回路の精度と使える範囲にどう効くかを見ます。

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  • 四国めたん(解説)
  • ずんだもん(質問)

1導入:オペアンプで10倍の増幅回路を作れ

ずんだもん

実験の課題がピンチなのだ!「オペアンプで10倍の増幅回路を作れ」と書いてあるのだ。

動画の画面(「実験の課題がピンチなのだ!「オペアンプで10倍の増幅回路を作れ」と書いてあるのだ。」の場面)
図 1

四国めたん

オペアンプは、アナログ回路で一番よく使われる部品よ。今日は使い方から始めましょう。

ずんだもん

オペアンプは聞いたことあるのだ!いろいろな回路に使われてるのだ。

四国めたん

ええ。センサの信号の増幅、オーディオ、電源の制御まで、あちこちで活躍しているわ。

動画の画面(「ええ。センサの信号の増幅、オーディオ、電源の制御まで、あちこちで活躍しているわ。」の場面)
図 2

ずんだもん質問

でも、三角の記号しか知らないのだ。ボクでも使えるのだ?

動画の画面(「でも、三角の記号しか知らないのだ。ボクでも使えるのだ?」の場面)
図 3

四国めたん

大丈夫。前半は、中身を知らなくても使える考え方。後半で、CMOSの中身と弱点を見るわ。

動画の画面(「大丈夫。前半は、中身を知らなくても使える考え方。後半で、CMOSの中身と弱点を見るわ。」の場面)
図 4

2オペアンプとは:入力の差を大きく増幅する

四国めたん

記号はこの三角形。入力は+と−の2本、出力は1本。電源の端子もあるわ。

動画の画面(「記号はこの三角形。入力は+と−の2本、出力は1本。電源の端子もあるわ。」の場面)
図 5

四国めたん

回路図では電源を省くことが多いけど、出力を動かす電力は、この電源から来るの。

動画の画面(「回路図では電源を省くことが多いけど、出力を動かす電力は、この電源から来るの。」の場面)
図 6

四国めたん

前半は、出力が正にも負にも十分に振れる電源をつないでいる、と考えてね。

動画の画面(「前半は、出力が正にも負にも十分に振れる電源をつないでいる、と考えてね。」の場面)
図 7

四国めたん

働きは1つだけ。+入力と−入力の、電圧の差を増幅して出すの。

動画の画面(「働きは1つだけ。+入力と−入力の、電圧の差を増幅して出すの。」の場面)
図 8

ずんだもん質問

差だけなのだ?2つの入力が、両方1 V上がったらどうなるのだ?

動画の画面(「差だけなのだ?2つの入力が、両方1V上がったらどうなるのだ?」の場面)
図 9

四国めたん

差は変わらないから、理想的には出力も変わらないわ。見ているのは差だけなの。

動画の画面(「差は変わらないから、理想的には出力も変わらないわ。見ているのは差だけなの。」の場面)
図 10

四国めたん

式で書くとvout=A(v+−v−)。Aを開ループ利得と呼ぶわ。

動画の画面(「式で書くとvout=A(v+−v−)。Aを開ループ利得と呼ぶわ。」の場面)
図 11

四国めたん

このAがとても大きいの。汎用品では、10万倍を超えることも多いわ。

動画の画面(「このAがとても大きいの。汎用品では、10万倍を超えることも多いわ。」の場面)
図 12

ずんだもん

10万倍もあるなら、10倍の増幅なんて楽勝なのだ!

四国めたん

入力の差がたった1 mVでも、計算上の出力は100 V。電源の電圧を超えてしまうわ。

動画の画面(「入力の差がたった1mVでも、計算上の出力は100V。電源の電圧を超えてしまうわ。」の場面)
図 13

四国めたん

実際の出力は、電源の近くで張り付いてしまう。これを飽和と呼ぶの。

動画の画面(「実際の出力は、電源の近くで張り付いてしまう。これを飽和と呼ぶの。」の場面)
図 14

四国めたん

このままだと、どちらの入力が高いかを判定するくらいしかできないわ。

動画の画面(「このままだと、どちらの入力が高いかを判定するくらいしかできないわ。」の場面)
図 15

ずんだもん

10万倍で増幅するしかできないなんて、使いづらいのだ…。

ずんだもん:なんでこんな使いづらいものが、あちこちで使われてるのだ?

動画の画面(「なんでこんな使いづらいものが、あちこちで使われてるのだ?」の場面)
図 16

四国めたん

いい質問ね。外につなぐ抵抗やコンデンサで、回路の働きを自由に決められるからよ。

動画の画面(「いい質問ね。外につなぐ抵抗やコンデンサで、回路の働きを自由に決められるからよ。」の場面)
図 17

四国めたん

単元1のまとめ。オペアンプは入力の差をとても大きく増幅する部品。そのままでは飽和するの。

動画の画面(「単元1のまとめ。オペアンプは入力の差をとても大きく増幅する部品。そのままでは飽和するの。」の場面)
図 18

3負帰還と仮想短絡:2つのルール

四国めたん

働きを決めるしかけは、出力を入力へ戻すこと。これを帰還、英語でフィードバックと呼ぶわ。

動画の画面(「働きを決めるしかけは、出力を入力へ戻すこと。これを帰還、英語でフィードバックと呼ぶわ。」の場面)
図 19

ずんだもん

フィードバックなら聞いたことあるのだ!結果を見て、次に生かすことなのだ。

四国めたん

ずれを打ち消す向きに戻すのが、負帰還。オペアンプでは、出力を−入力へ戻すの。

動画の画面(「ずれを打ち消す向きに戻すのが、負帰還。オペアンプでは、出力を−入力へ戻すの。」の場面)
図 20

四国めたん

シャワーの温度を手で確かめて、熱ければ水を足すでしょう?あれと同じ考え方よ。

ずんだもん

温度を見て、ずれを直す向きに調整するのだ!ボクも毎朝やってるのだ。

動画の画面(「温度を見て、ずれを直す向きに調整するのだ!ボクも毎朝やってるのだ。」の場面)
図 21

四国めたん

一番簡単な形で試しましょう。+入力に1 V。出力を−入力に直接つなぐわ。

動画の画面(「一番簡単な形で試しましょう。+入力に1V。出力を−入力に直接つなぐわ。」の場面)
図 22

ずんだもん質問

出力を入力に戻したら、ぐるぐる回って暴れないのだ?

四国めたん

−入力に戻すと、ずれを打ち消す向きに働くの。順に追ってみましょう。

四国めたん:出力が1 Vより低いと、差v+−v−はプラス。だから出力は上がっていくの。

動画の画面(「出力が1Vより低いと、差v+−v−はプラス。だから出力は上がっていくの。」の場面)
図 23

四国めたん

行きすぎて1 Vを超えると、差はマイナス。今度は出力が下がるわ。

動画の画面(「行きすぎて1Vを超えると、差はマイナス。今度は出力が下がるわ。」の場面)
図 24

ずんだもん

上がりすぎても下がりすぎても戻されて、1 Vで落ち着くのだ!

動画の画面(「上がりすぎても下がりすぎても戻されて、1Vで落ち着くのだ!」の場面)
図 25

四国めたん

落ち着いた点での差は、出力1 Vを10万で割った約10µV。これを10万倍すれば、ちゃんと約1 Vに戻るわ。

動画の画面(「落ち着いた点での差は、出力1Vを10万で割った約10µV。これを10万倍すれば、ちゃんと約1Vに戻るわ。」の場面)
図 26

四国めたん

ここで、理想オペアンプを考えましょう。利得Aは∞、入力インピーダンスも∞とするの。

動画の画面(「ここで、理想オペアンプを考えましょう。利得Aは∞、入力インピーダンスも∞とするの。」の場面)
図 27

四国めたん

出力は有限だから、入力の差はvout/A。Aが∞なら、差は0になるわ。

動画の画面(「出力は有限だから、入力の差はvout/A。Aが∞なら、差は0になるわ。」の場面)
図 28

四国めたん

負帰還があれば、+入力と−入力の電圧は等しい。これが1つ目のルール、電圧のルールよ。

動画の画面(「負帰還があれば、+入力と−入力の電圧は等しい。これが1つ目のルール、電圧のルールよ。」の場面)
図 29

四国めたん

この状態を、仮想短絡、英語でバーチャルショートと呼ぶの。

動画の画面(「この状態を、仮想短絡、英語でバーチャルショートと呼ぶの。」の場面)
図 30

ずんだもん質問

短絡って、2つの点を線でつなぐことなのだ?入力どうしがつながっているのだ?

四国めたん

電圧だけ見ると、線でつないだように等しい。でも、2つの間に電流は流れないの。

動画の画面(「電圧だけ見ると、線でつないだように等しい。でも、2つの間に電流は流れないの。」の場面)
図 31

四国めたん

線の代わりに、出力が−入力を動かして電圧をそろえている。だから「仮想」の短絡なのよ。

動画の画面(「線の代わりに、出力が−入力を動かして電圧をそろえている。だから「仮想」の短絡なのよ。」の場面)
図 32

ずんだもん

本物の線じゃなくて、負帰還が作った見かけの短絡なのだ!

四国めたん

ただし、負帰還が安定にかかり、入力も出力も使える電圧の範囲にあることが前提よ。

動画の画面(「ただし、負帰還が安定にかかり、入力も出力も使える電圧の範囲にあることが前提よ。」の場面)
図 33

四国めたん

実際のAは有限。でもAが十分大きく、負帰還がよく効けば、この近似が使えるの。後半で確かめるわ。

動画の画面(「実際のAは有限。でもAが十分大きく、負帰還がよく効けば、この近似が使えるの。後半で確かめるわ。」の場面)
図 34

四国めたん

2つ目は電流のルール。入力インピーダンスが∞だから、入力端子に電流は流れ込まないの。

動画の画面(「2つ目は電流のルール。入力インピーダンスが∞だから、入力端子に電流は流れ込まないの。」の場面)
図 35

ずんだもん質問

入力に電流が流れないのも、負帰還のおかげなのだ?

動画の画面(「入力に電流が流れないのも、負帰還のおかげなのだ?」の場面)
図 36

四国めたん

いいえ、これは入力インピーダンスの性質。負帰還とは関係なく成り立つの。

動画の画面(「いいえ、これは入力インピーダンスの性質。負帰還とは関係なく成り立つの。」の場面)
図 37

四国めたん

単元2のまとめ。理想オペアンプに負帰還をかけると、+と−の電圧が等しく、入力電流は0。

動画の画面(「単元2のまとめ。理想オペアンプに負帰還をかけると、+と−の電圧が等しく、入力電流は0。」の場面)
図 38

ずんだもん

ルールは2つだけなのだ!これで回路を解いてみたいのだ!

4フォロワと非反転増幅回路

四国めたん

ここから、よく使う4つの回路を紹介するわ。フォロワ、非反転、反転、積分よ。

動画の画面(「ここから、よく使う4つの回路を紹介するわ。フォロワ、非反転、反転、積分よ。」の場面)
図 39

四国めたん

解き方はどれも同じ。仮想短絡で−入力の電圧を決め、入力電流0としてKCLを立てるの。

動画の画面(「解き方はどれも同じ。仮想短絡で−入力の電圧を決め、入力電流0としてKCLを立てるの。」の場面)
図 40

ずんだもん

同じ手順で全部解けるなら、覚えることが少なくて助かるのだ!

四国めたん

1つ目は、さっきの回路。ボルテージフォロワと呼ぶわ。

四国めたん:導出しましょう。−入力は出力と線でつながっているから、v−=voutね。

動画の画面(「導出しましょう。−入力は出力と線でつながっているから、v−=voutね。」の場面)
図 41

四国めたん

電圧のルールでv−=v+=vin。だからvout=vinで、利得は1よ。

動画の画面(「電圧のルールでv−=v+=vin。だからvout=vinで、利得は1よ。」の場面)
図 42

ずんだもん質問

同じ電圧を出すだけなら、つなぐ意味がないのだ?

動画の画面(「同じ電圧を出すだけなら、つなぐ意味がないのだ?」の場面)
図 43

四国めたん

内部抵抗10 kΩのセンサに1 kΩの負荷を直接つなぐと、分圧で電圧は11分の1になるの。

動画の画面(「内部抵抗10kΩのセンサに1kΩの負荷を直接つなぐと、分圧で電圧は11分の1になるの。」の場面)
図 44

四国めたん

間にフォロワを入れると、電流のルールで、センサからは電流を取らないわ。

動画の画面(「間にフォロワを入れると、電流のルールで、センサからは電流を取らないわ。」の場面)
図 45

四国めたん

しかも理想では出力インピーダンスが0。負荷に電流を流しても、出力電圧は変わらないの。

動画の画面(「しかも理想では出力インピーダンスが0。負荷に電流を流しても、出力電圧は変わらないの。」の場面)
図 46

ずんだもん

電圧はそのまま、力仕事はオペアンプがするのだ!これがバッファなのだ。

動画の画面(「電圧はそのまま、力仕事はオペアンプがするのだ!これがバッファなのだ。」の場面)
図 47

四国めたん

2つ目は非反転増幅回路。入力は+入力へ。出力をRfとRgで分けて、−入力に戻すわ。

動画の画面(「2つ目は非反転増幅回路。入力は+入力へ。出力をRfとRgで分けて、−入力に戻すわ。」の場面)
図 48

ずんだもん質問

せっかくの出力を小さくして戻すのだ?それで増幅になるのだ?

四国めたん

順に見ましょう。電流のルールで、−入力に電流は入らない。だからRfとRgには同じ電流が流れるの。

四国めたん:つまり2本はただの直列。分圧の式で、v−=vout×Rg/(Rf+Rg)よ。

動画の画面(「つまり2本はただの直列。分圧の式で、v−=vout×Rg/(Rf+Rg)よ。」の場面)
図 49

四国めたん

次に電圧のルールで、v−=vin。だからvin=vout×Rg/(Rf+Rg)。

動画の画面(「次に電圧のルールで、v−=vin。だからvin=vout×Rg/(Rf+Rg)。」の場面)
図 50

四国めたん

式を変形すると、vout/vin=(Rf+Rg)/Rg=1+Rf/Rg。これが利得よ。

動画の画面(「式を変形すると、vout/vin=(Rf+Rg)/Rg=1+Rf/Rg。これが利得よ。」の場面)
図 51

ずんだもん

Rg=10 kΩ、Rf=90 kΩなら10倍なのだ!0.1 Vが1 Vになるのだ!

動画の画面(「Rg=10kΩ、Rf=90kΩなら10倍なのだ!0.1Vが1Vになるのだ!」の場面)
図 52

四国めたん

戻すのは出力の10分の1。それが入力と等しくなるように、出力が入力の10倍になるのよ。

動画の画面(「戻すのは出力の10分の1。それが入力と等しくなるように、出力が入力の10倍になるのよ。」の場面)
図 53

四国めたん

Aの値がばらついても、利得は抵抗の比でほぼ決まる。これが負帰還の強みよ。

動画の画面(「Aの値がばらついても、利得は抵抗の比でほぼ決まる。これが負帰還の強みよ。」の場面)
図 54

5反転増幅回路と積分回路

四国めたん

3つ目は反転増幅回路。+入力を接地して、入力抵抗Rinと帰還抵抗Rfを−入力につなぐわ。

動画の画面(「3つ目は反転増幅回路。+入力を接地して、入力抵抗Rinと帰還抵抗Rfを−入力につなぐわ。」の場面)
図 55

ずんだもん質問

今度は−入力が、接地されていないのだ。電圧はどう決まるのだ?

四国めたん

仮想短絡で、−入力も+入力と同じ0 V。接地していないのに0 Vだから、仮想接地と呼ぶの。

動画の画面(「仮想短絡で、−入力も+入力と同じ0V。接地していないのに0Vだから、仮想接地と呼ぶの。」の場面)
図 56

四国めたん

+入力が接地のときの仮想短絡ね。英語ではバーチャルグラウンドよ。

動画の画面(「+入力が接地のときの仮想短絡ね。英語ではバーチャルグラウンドよ。」の場面)
図 57

四国めたん

Rinの両端はvinと0 V。オームの法則で、Rinを流れる電流はi=vin/Rinね。

動画の画面(「Rinの両端はvinと0V。オームの法則で、Rinを流れる電流はi=vin/Rinね。」の場面)
図 58

四国めたん

−入力の点でKCL。電流のルールで中には入れないから、同じiがRfを流れるの。

動画の画面(「−入力の点でKCL。電流のルールで中には入れないから、同じiがRfを流れるの。」の場面)
図 59

四国めたん

Rfの両端は0 Vとvout。iは−入力側から出力側へ流れ、その向きに電位が下がるから、vout=0−Rf×iよ。

動画の画面(「Rfの両端は0Vとvout。iは−入力側から出力側へ流れ、その向きに電位が下がるから、vout=0−Rf×iよ。」の場面)
図 60

四国めたん

iを代入すると、vout=−(Rf/Rin)vin。利得は−Rf/Rinになるわ。

動画の画面(「iを代入すると、vout=−(Rf/Rin)vin。利得は−Rf/Rinになるわ。」の場面)
図 61

ずんだもん

Rin=10 kΩ、Rf=100 kΩで0.1 Vなら、10 µAが流れて、出力は−1 Vなのだ!

動画の画面(「Rin=10kΩ、Rf=100kΩで0.1Vなら、10µAが流れて、出力は−1Vなのだ!」の場面)
図 62

四国めたん

向きが反対の、−10倍ね。入力が上がると、出力は下がるの。

動画の画面(「向きが反対の、−10倍ね。入力が上がると、出力は下がるの。」の場面)
図 63

四国めたん

この回路は、入力からRinを通して電流を取るわ。電流を取らない非反転とは、そこが違うの。

動画の画面(「この回路は、入力からRinを通して電流を取るわ。電流を取らない非反転とは、そこが違うの。」の場面)
図 64

四国めたん

4つ目は積分回路。反転増幅の入力抵抗Rin(ここではRと呼ぶわ)はそのまま、Rfだけをコンデンサ Cに替えるの。

動画の画面(「4つ目は積分回路。反転増幅の入力抵抗Rin(ここではRと呼ぶわ)はそのまま、Rfだけをコンデンサ Cに替えるの。」の場面)
図 65

ずんだもん質問

コンデンサで積分なんて、本当にできるのだ?

四国めたん

反転増幅と同じく、−入力は0 V。Rを流れる電流はi=vin/Rで、それがそのままCへ流れ込むの。

動画の画面(「反転増幅と同じく、−入力は0V。Rを流れる電流はi=vin/Rで、それがそのままCへ流れ込むの。」の場面)
図 66

四国めたん

コンデンサの電流は、両端の電圧の変化の速さに比例する。i=C×dv/dtだったわね。

四国めたん:電流は−入力側から出力側へ流れる。Cの電圧も同じ向きに、0−voutと取るの。

動画の画面(「電流は−入力側から出力側へ流れる。Cの電圧も同じ向きに、0−voutと取るの。」の場面)
図 67

四国めたん

だからi=C×d(0−vout)/dt。つまり、vin/R=−C×dvout/dtね。

動画の画面(「だからi=C×d(0−vout)/dt。つまり、vin/R=−C×dvout/dtね。」の場面)
図 68

四国めたん

両辺を時間で積分。出力を0 Vから始めると、vout=−(1/RC)∫vin dtよ。

動画の画面(「両辺を時間で積分。出力を0Vから始めると、vout=−(1/RC)∫vin dtよ。」の場面)
図 69

ずんだもん

流れた電流が、電荷としてCにたまり続ける。だから積分になるのだ!

四国めたん

R=10 kΩ、C=100nFならRC=1ms。入力が+0.1 Vなら、出力は1msごとに0.1 Vずつ下がるわ。

動画の画面(「R=10kΩ、C=100nFならRC=1ms。入力が+0.1Vなら、出力は1msごとに0.1Vずつ下がるわ。」の場面)
図 70

ずんだもん

同じ大きさの+と−が、同じ時間ずつ続く四角い波なら、三角の波になるのだ!

動画の画面(「同じ大きさの+と−が、同じ時間ずつ続く四角い波なら、三角の波になるのだ!」の場面)
図 71

四国めたん

周波数で見るなら、反転増幅のRfを、Cのインピーダンス1/(jωC)に置き換えればいいの。

動画の画面(「周波数で見るなら、反転増幅のRfを、Cのインピーダンス1/(jωC)に置き換えればいいの。」の場面)
図 72

四国めたん

利得は−1/(jωRC)。大きさは周波数に反比例で、周波数が10倍なら出力は10分の1よ。

動画の画面(「利得は−1/(jωRC)。大きさは周波数に反比例で、周波数が10倍なら出力は10分の1よ。」の場面)
図 73

四国めたん

フィルタや波形を作る回路、制御の回路など、いろいろな所で使われるわ。

動画の画面(「フィルタや波形を作る回路、制御の回路など、いろいろな所で使われるわ。」の場面)
図 74

四国めたん

単元3のまとめ。フォロワは1倍、非反転は1+Rf/Rg、反転は−Rf/Rin。

動画の画面(「単元3のまとめ。フォロワは1倍、非反転は1+Rf/Rg、反転は−Rf/Rin。」の場面)
図 75

四国めたん

積分は−(1/RC)∫vin dt。どれも、外につなぐ部品で働きが決まるの。

動画の画面(「積分は−(1/RC)∫vin dt。どれも、外につなぐ部品で働きが決まるの。」の場面)
図 76

ずんだもん

2つのルールで電圧と電流を決めれば、あとは抵抗やコンデンサの式で解けるのだ!

動画の画面(「2つのルールで電圧と電流を決めれば、あとは抵抗やコンデンサの式で解けるのだ!」の場面)
図 77

6CMOSで作ると:差動対1段から2段へ

ずんだもん質問

でも、三角の中身はどうなっているのだ?本当に10万倍もあるのだ?

動画の画面(「でも、三角の中身はどうなっているのだ?本当に10万倍もあるのだ?」の場面)
図 78

四国めたん

これまでの回の部品で、集積回路の中のオペアンプを、順に組み立ててみましょう。

動画の画面(「これまでの回の部品で、集積回路の中のオペアンプを、順に組み立ててみましょう。」の場面)
図 79

四国めたん

ここからは別のモデル。電源はこれまでの1.8 Vを中点で分けた±0.9 V、180 nm CMOSくらいを想定した説明用の値よ。

動画の画面(「ここからは別のモデル。電源はこれまでの1.8Vを中点で分けた±0.9V、180nm CMOSくらいを想定した説明用の値よ。」の場面)
図 80

四国めたん

まず第7回の、PMOSのカレントミラーを負荷にした差動対を思い出して。

動画の画面(「まず第7回の、PMOSのカレントミラーを負荷にした差動対を思い出して。」の場面)
図 81

四国めたん

入力が2本、出力が1本で、入力の差を増幅する。実はこれだけで、もうオペアンプなのよ。

動画の画面(「入力が2本、出力が1本で、入力の差を増幅する。実はこれだけで、もうオペアンプなのよ。」の場面)
図 82

ずんだもん質問

えっ、第7回の回路が、そのまま三角の中身になるのだ?

四国めたん

ええ。利得の大きさは第7回と同じgm(ro∥ro)。トランジスタの寸法を変えたこの例では約75倍よ。

動画の画面(「ええ。利得の大きさは第7回と同じgm(ro∥ro)。トランジスタの寸法を変えたこの例では約75倍よ。」の場面)
図 83

四国めたん

これで10倍の非反転増幅を作るわ。vinとvoutは、動作点からの小さな変化分として考えるの。

動画の画面(「これで10倍の非反転増幅を作るわ。vinとvoutは、動作点からの小さな変化分として考えるの。」の場面)
図 84

四国めたん

有限のAでは、−入力に戻るのはvout×Rg/(Rf+Rg)=vout/10だから、vout=A(vin−vout/10)。解くと利得はA/(1+A/10)よ。

動画の画面(「有限のAでは、−入力に戻るのはvout×Rg/(Rf+Rg)=vout/10だから、vout=A(vin−vout/10)。解くと利得はA/(1+A/10)よ。」の場面)
図 85

四国めたん

Aが10よりずっと大きければ、ほぼ10。電圧のルールの前提は、このことだったの。

動画の画面(「Aが10よりずっと大きければ、ほぼ10。電圧のルールの前提は、このことだったの。」の場面)
図 86

四国めたん

さらに、理想の0と違って、この段の出力抵抗は約54 kΩ。Rf+Rg=100 kΩの帰還抵抗が、出力の負荷になるの。

動画の画面(「さらに、理想の0と違って、この段の出力抵抗は約54kΩ。Rf+Rg=100kΩの帰還抵抗が、出力の負荷になるの。」の場面)
図 87

四国めたん

負荷を含めた利得は約49倍。だから10倍のつもりが、約8.3倍にしかならないの。

動画の画面(「負荷を含めた利得は約49倍。だから10倍のつもりが、約8.3倍にしかならないの。」の場面)
図 88

ずんだもん

8.3倍なのだ!?課題の10倍に、全然届かないのだ…。

四国めたん

1段の利得はgmとroの積で決まるから、大きくするにも限りがあるの。

動画の画面(「1段の利得はgmとroの積で決まるから、大きくするにも限りがあるの。」の場面)
図 89

四国めたん

そこで、後ろにもう1段つなぎましょう。第4回の、電流源を負荷にしたソース接地増幅回路よ。

動画の画面(「そこで、後ろにもう1段つなぎましょう。第4回の、電流源を負荷にしたソース接地増幅回路よ。」の場面)
図 90

四国めたん

2段目で向きが反転するから、+と−は1段のときと逆。1段ではM1のゲートが+入力だったけど、2段ではM2のゲートが+入力になるのよ。

動画の画面(「2段目で向きが反転するから、+と−は1段のときと逆。1段ではM1のゲートが+入力だったけど、2段ではM2のゲートが+入力になるのよ。」の場面)
図 91

四国めたん

2段目の利得の大きさは約47倍。全体の利得は、2つの掛け算で約3500倍になるの。

動画の画面(「2段目の利得の大きさは約47倍。全体の利得は、2つの掛け算で約3500倍になるの。」の場面)
図 92

四国めたん

2段目は出力抵抗が約13 kΩと小さめ。帰還抵抗をつないでも、全体で約3100倍を保てるわ。

動画の画面(「2段目は出力抵抗が約13kΩと小さめ。帰還抵抗をつないでも、全体で約3100倍を保てるわ。」の場面)
図 93

四国めたん

すると、10倍の非反転増幅は約9.97倍。ほぼ狙いどおりよ。

動画の画面(「すると、10倍の非反転増幅は約9.97倍。ほぼ狙いどおりよ。」の場面)
図 94

ずんだもん

8.3倍から9.97倍!段を足したら、ぐっと10倍に近づいたのだ!

動画の画面(「8.3倍から9.97倍!段を足したら、ぐっと10倍に近づいたのだ!」の場面)
図 95

ずんだもん

それでも、汎用品の10万倍には届かないのだ。

動画の画面(「それでも、汎用品の10万倍には届かないのだ。」の場面)
図 96

四国めたん

この簡単な形ではね。製品では、トランジスタや回路を工夫して、もっと大きくしているの。

動画の画面(「この簡単な形ではね。製品では、トランジスタや回路を工夫して、もっと大きくしているの。」の場面)
図 97

四国めたん

2段目の入力と出力の間には、容量Ccを入れるの。安定に動かす部品で、詳しくは後の回ね。

動画の画面(「2段目の入力と出力の間には、容量Ccを入れるの。安定に動かす部品で、詳しくは後の回ね。」の場面)
図 98

四国めたん

入力はMOSFETのゲート。直流の電流はほぼ流れないから、電流のルールがよく成り立つの。

動画の画面(「入力はMOSFETのゲート。直流の電流はほぼ流れないから、電流のルールがよく成り立つの。」の場面)
図 99

四国めたん

ただ、速く変化する信号では、ゲートの容量に少し電流が流れるわ。

四国めたん:単元4のまとめ。差動対1段でもオペアンプだけど、利得が足りない。2段にして掛け算で稼ぐの。

動画の画面(「単元4のまとめ。差動対1段でもオペアンプだけど、利得が足りない。2段にして掛け算で稼ぐの。」の場面)
図 100

7帯域・出力範囲・オフセットの限界

四国めたん

利得のほかにも、中身の限界はあるわ。前半の回路にどう効くか、順に見ましょう。

動画の画面(「利得のほかにも、中身の限界はあるわ。前半の回路にどう効くか、順に見ましょう。」の場面)
図 101

四国めたん

次は周波数。中身の利得Aは、周波数が高くなると下がっていくの。

動画の画面(「次は周波数。中身の利得Aは、周波数が高くなると下がっていくの。」の場面)
図 102

ずんだもん質問

えっ、3500倍って、いつでもそうじゃないのだ?

四国めたん

ここでは、Aの周波数特性を、1つの極で近似して考えるわ。

動画の画面(「ここでは、Aの周波数特性を、1つの極で近似して考えるわ。」の場面)
図 103

四国めたん

Ccの働きで、Aは約31kHzから下がり始める。十分上では、周波数に反比例するの。

動画の画面(「Ccの働きで、Aは約31kHzから下がり始める。十分上では、周波数に反比例するの。」の場面)
図 104

四国めたん

Aが1倍になる周波数は約110MHz。この近似では、低い周波数の利得3500と極の周波数31kHzの積、利得帯域幅積GBWとほぼ同じよ。

動画の画面(「Aが1倍になる周波数は約110MHz。この近似では、低い周波数の利得3500と極の周波数31kHzの積、利得帯域幅積GBWとほぼ同じよ。」の場面)
図 105

四国めたん

この近似では、GBWは1段目のgmとCcで決まり、gm/(2πCc)。gm≈1.4 mS、Cc=2pFなら約110MHzよ。

動画の画面(「この近似では、GBWは1段目のgmとCcで決まり、gm/(2πCc)。gm≈1.4mS、Cc=2pFなら約110MHzよ。」の場面)
図 106

四国めたん

増幅回路の帯域は、利得が、低い周波数での値の約7割(−3dB)まで下がる周波数のことよ。

動画の画面(「増幅回路の帯域は、利得が、低い周波数での値の約7割(−3dB)まで下がる周波数のことよ。」の場面)
図 107

四国めたん

10倍の非反転増幅では、帯域はGBWの約10分の1で、約11MHzね。

動画の画面(「10倍の非反転増幅では、帯域はGBWの約10分の1で、約11MHzね。」の場面)
図 108

ずんだもん

100倍にすると帯域は約1.1MHz。利得と帯域は取り合いなのだ!

動画の画面(「100倍にすると帯域は約1.1MHz。利得と帯域は取り合いなのだ!」の場面)
図 109

四国めたん

出力の範囲にも目安があるわ。2段目を電流源として使えるのは、約±0.7 Vまで。

動画の画面(「出力の範囲にも目安があるわ。2段目を電流源として使えるのは、約±0.7Vまで。」の場面)
図 110

四国めたん

その外でも出力は少し動くけど、利得が急に落ちてしまうの。

動画の画面(「その外でも出力は少し動くけど、利得が急に落ちてしまうの。」の場面)
図 111

ずんだもん

0.1 Vを10倍すると1 V。この中身では、きれいに10倍できないのだ!

動画の画面(「0.1Vを10倍すると1V。この中身では、きれいに10倍できないのだ!」の場面)
図 112

四国めたん

最後はオフセット電圧。2つの入力を同じ電圧にしても、出力がずれてしまうの。

動画の画面(「最後はオフセット電圧。2つの入力を同じ電圧にしても、出力がずれてしまうの。」の場面)
図 113

四国めたん

素子のわずかな違いで、入力に小さな電池が入ったように振る舞うの。

動画の画面(「素子のわずかな違いで、入力に小さな電池が入ったように振る舞うの。」の場面)
図 114

四国めたん

この入力側のずれを、ここでは+入力側に1 mVとするわ。

動画の画面(「この入力側のずれを、ここでは+入力側に1mVとするわ。」の場面)
図 115

四国めたん

積分回路で入力を0 Vにしても、−入力は0 Vでなく、約1 mVに保たれるの。

動画の画面(「積分回路で入力を0Vにしても、−入力は0Vでなく、約1mVに保たれるの。」の場面)
図 116

四国めたん

するとRには、1 mV÷10 kΩ=0.1 µAが流れ続ける。それがCを通るから、出力は上がり続けるの。

動画の画面(「するとRには、1mV÷10kΩ=0.1µAが流れ続ける。それがCを通るから、出力は上がり続けるの。」の場面)
図 117

四国めたん

RC=1msなら、出力は1秒に約1 Vずつ上がり、1秒以内に出力範囲の目安を超えるわ。

動画の画面(「RC=1msなら、出力は1秒に約1Vずつ上がり、1秒以内に出力範囲の目安を超えるわ。」の場面)
図 118

ずんだもん

入力が0なのに、勝手に出力が端まで行って、張り付いてしまうのだ!

動画の画面(「入力が0なのに、勝手に出力が端まで行って、張り付いてしまうのだ!」の場面)
図 119

四国めたん

対策は、Cと並列に大きな抵抗を入れること。直流での利得を、有限にするの。

動画の画面(「対策は、Cと並列に大きな抵抗を入れること。直流での利得を、有限にするの。」の場面)
図 120

四国めたん

Rの100倍、1MΩなら、直流ではオフセット1 mVの(1+Rf/R)=101倍、約0.1 Vで出力のずれが止まるわ。

動画の画面(「Rの100倍、1MΩなら、直流ではオフセット1mVの(1+Rf/R)=101倍、約0.1Vで出力のずれが止まるわ。」の場面)
図 121

四国めたん

代わりに、1/(2πRfC)=約1.6Hzより十分高い周波数でしか、積分らしく働かなくなるの。

動画の画面(「代わりに、1/(2πRfC)=約1.6Hzより十分高い周波数でしか、積分らしく働かなくなるの。」の場面)
図 122

四国めたん

出力電流の上限や、出力が変化できる速さの限界もあるわ。データシートで確かめてね。

動画の画面(「出力電流の上限や、出力が変化できる速さの限界もあるわ。データシートで確かめてね。」の場面)
図 123

四国めたん

単元5のまとめ。中身の利得、帯域、出力範囲、オフセットが、回路の精度と使える範囲を決めるの。

動画の画面(「単元5のまとめ。中身の利得、帯域、出力範囲、オフセットが、回路の精度と使える範囲を決めるの。」の場面)
図 124

8まとめ:オペアンプの使い方と中身

四国めたん

今日のまとめ。オペアンプは入力の差を大きく増幅し、負帰還で使う部品よ。

動画の画面(「今日のまとめ。オペアンプは入力の差を大きく増幅し、負帰還で使う部品よ。」の場面)
図 125

ずんだもん

利得∞・入力インピーダンス∞の理想化で、電圧は同じ、入力電流は0。実物では近似なのだ!

動画の画面(「利得∞・入力インピーダンス∞の理想化で、電圧は同じ、入力電流は0。実物では近似なのだ!」の場面)
図 126

ずんだもん

抵抗の比で10倍にして、帯域と出力範囲も確かめる。これで課題が書けるのだ!

動画の画面(「抵抗の比で10倍にして、帯域と出力範囲も確かめる。これで課題が書けるのだ!」の場面)
図 127

四国めたん

次回は雑音の基礎。小さな信号を増幅するとき、何に埋もれるかを見ましょう。

動画の画面(「次回は雑音の基礎。小さな信号を増幅するとき、何に埋もれるかを見ましょう。」の場面)
図 128

ずんだもん

最後まで読んでくれてありがとうなのだ!