第1回
トランジスタのしくみ
アナログ回路入門シリーズ第1回です。電子回路の単位がピンチのずんだもんと一緒に、トランジスタのしくみを基礎から見ていきます。
今のICのトランジスタは、ほとんどがCMOSという方式で作られたMOSFETです。まずバイポーラトランジスタとMOSFETの動作原理を比べ、断面図で「なぜ電流が流れるのか」(反転層・チャネル)を確かめます。測定回路と特性カーブから、遮断(サブスレッショルド)・線形・飽和の3つの動作領域と、電圧制御電流源として働く条件を解説。最後にPMOSと組み合わせたCMOSインバータまで扱います。
1導入:単位がピンチなのだ
ずんだもん
めたん、大変なのだ!このままだと電子回路の単位がピンチなのだ!

2今のICのトランジスタ=CMOS
ずんだもん質問
お願いなのだ!そもそもトランジスタって、何をする部品なのだ?



ずんだもん質問
ほとんど、ということは、ほかの種類のトランジスタもあるのだ?


3バイポーラとMOSFETの違い
ずんだもん質問
どっちも電流を流す部品なのに、何が違うのだ?



ずんだもん質問
ゲートからは、電流が流れ込むのだ?

ずんだもん
よろしくなのだ!

4MOSFETの記号と3つの端子



ずんだもん
電圧で電流が決まるって、回路理論で習った従属電源みたいなのだ!


スライダー(またはキーボードの矢印キー)で電圧を変えると、IDと動作領域が変わります。VGSをVthより下げたときの電流の小ささにも注目。
5なぜ電流が流れる? 断面で見るチャネル


ずんだもん質問
ソースとドレインの間はp型だから、電子は通れないのだ?



ずんだもん質問
通り道ができたら、電子はどっちへ流れるのだ?

ずんだもん質問
VGSをもっと上げると、チャネルが太くなるのだ?
6ID–VGS特性と2乗則
ずんだもん
Vthまではほぼゼロで、そこから増え始めるのだ!


ずんだもん質問
VGS−Vthって、しきい値をどれだけ超えたかなのだ?
縦軸を対数に切り替えると、次の節のサブスレッショルド領域(Vthより下でも指数関数的に流れる電流)が見えます。
7IDの式の中身:μnCoxとW/L
ずんだもん質問
式に出てくるμnCoxとかW/Lって、何なのだ?




ずんだもん質問
じゃあ、電子の速さのほうは、何で決まるのだ?




ずんだもん
道幅Wが広いと電子が多くて、道のりLが短いと電界が強くて速く進む。だから増えるのだ!




8サブスレッショルド領域
ずんだもん質問
ところで、Vthより下だと、電流は本当にゼロなのだ?



ずんだもん質問
ゼロじゃないなら、オフでも電流が漏れているのだ?
9ID–VDS特性と線形領域
ずんだもん
最初はまっすぐ増えて、途中から平らになったのだ。


ずんだもん
VGSを変えると傾きが変わるのだ。可変抵抗みたいなのだ!
10ピンチオフ
ずんだもん質問
じゃあ、どうして途中から平らになるのだ?

ずんだもん質問
チャネルが途切れたら、電流は止まっちゃうのだ?

11飽和領域と電圧制御電流源

点線が境界VDS=VGS−Vth。VDSを境界より右へ動かすと、IDがほとんど変わらなくなります(少し右上がりなのはチャネル長変調)。
ずんだもん
飽和領域だと、VDSを変えても電流がほとんど変わらないのだ。

ずんだもん質問
だから増幅回路では、飽和領域で使うのだ?

ずんだもん
完全な電流源ではないのだ。
12まとめ:3つの動作領域

ずんだもん
VGSとVth、VDSとVGS−Vthを比べれば、どの領域かわかるのだ!
13PMOSとCMOSインバータ
ずんだもん質問
そういえば、最初に出てきたCMOSって、結局なんなのだ?






ずんだもん
入力と出力が、いつも反対になるのだ!


この例ではPMOSのW/LをNMOSより大きくして、電流の流しやすさ(K)をそろえています(倍率は図の下に表示)。入力が0かVDDのときは、どちらかがオフで電流がほとんど流れません。
ずんだもん質問
片方がオフになると、何がうれしいのだ?

ずんだもん
最初の「今のICはCMOS」の意味が、やっとわかったのだ!

14次回予告

ずんだもん
少し分かってきたのだ!最後まで読んでくれてありがとうなのだ!