ずんだもんと学ぶアナログ回路

第1回

トランジスタのしくみ

アナログ回路入門シリーズ第1回です。電子回路の単位がピンチのずんだもんと一緒に、トランジスタのしくみを基礎から見ていきます。

今のICのトランジスタは、ほとんどがCMOSという方式で作られたMOSFETです。まずバイポーラトランジスタとMOSFETの動作原理を比べ、断面図で「なぜ電流が流れるのか」(反転層・チャネル)を確かめます。測定回路と特性カーブから、遮断(サブスレッショルド)・線形・飽和の3つの動作領域と、電圧制御電流源として働く条件を解説。最後にPMOSと組み合わせたCMOSインバータまで扱います。

YouTube で見る(10:44)
  • 四国めたん(解説)
  • ずんだもん(質問)

1導入:単位がピンチなのだ

ずんだもん

めたん、大変なのだ!このままだと電子回路の単位がピンチなのだ!

四国めたん

あら。じゃあ期末までに、トランジスタが分かるように一緒にやりましょう。

動画の画面(「あら。じゃあ期末までに、トランジスタが分かるように一緒にやりましょう。」の場面)
図 1

2今のICのトランジスタ=CMOS

ずんだもん質問

お願いなのだ!そもそもトランジスタって、何をする部品なのだ?

動画の画面(「お願いなのだ!そもそもトランジスタって、何をする部品なのだ?」の場面)
図 2

四国めたん

電流を流したり止めたり、その大きさを加減したりする部品よ。

動画の画面(「電流を流したり止めたり、その大きさを加減したりする部品よ。」の場面)
図 3

四国めたん

スマホのCPUなど、今のICのトランジスタは、ほとんどがMOSFETよ。

動画の画面(「スマホのCPUなど、今のICのトランジスタは、ほとんどがMOSFETよ。」の場面)
図 4

四国めたん

それを、CMOSという方式で組み合わせて使っているの。

ずんだもん質問

ほとんど、ということは、ほかの種類のトランジスタもあるのだ?

動画の画面(「ほとんど、ということは、ほかの種類のトランジスタもあるのだ?」の場面)
図 5

四国めたん

ええ。代表がバイポーラトランジスタ、BJTよ。まず2つを比べてみましょう。

動画の画面(「ええ。代表がバイポーラトランジスタ、BJTよ。まず2つを比べてみましょう。」の場面)
図 6

3バイポーラとMOSFETの違い

四国めたん

左がnpn型のBJT、右がNチャネルMOSFETの記号よ。

ずんだもん質問

どっちも電流を流す部品なのに、何が違うのだ?

動画の画面(「どっちも電流を流す部品なのに、何が違うのだ?」の場面)
図 7

四国めたん

BJTでは、ベースとエミッタの間のpn接合に、順方向の電圧VBEをかけるの。

四国めたん:そして、コレクタはベースより高い電位にしておくわ。

四国めたん:するとエミッタから電子が注入され、その多くが薄いベースを抜けて、コレクタへ進むの。

動画の画面(「するとエミッタから電子が注入され、その多くが薄いベースを抜けて、コレクタへ進むの。」の場面)
図 8

四国めたん

コレクタ電流ICはVBEで指数関数的に決まる。ベースにも少し電流が流れるわ。

動画の画面(「コレクタ電流ICはVBEで指数関数的に決まる。ベースにも少し電流が流れるわ。」の場面)
図 9

四国めたん

一方MOSFETは、ゲートの電圧で、表面に電子の通り道を作るの。

ずんだもん質問

ゲートからは、電流が流れ込むのだ?

四国めたん

ゲートは薄い絶縁膜で隔てられているから、直流の電流はほとんど流れないのよ。

四国めたん:違いを表にまとめると、こうなるわ。

動画の画面(「違いを表にまとめると、こうなるわ。」の場面)
図 10

四国めたん

このシリーズは、MOSFETが中心よ。今日は、そのしくみを見ていきましょう。

ずんだもん

よろしくなのだ!

動画の画面(「よろしくなのだ!」の場面)
図 11

4MOSFETの記号と3つの端子

四国めたん

あらためて、NチャネルMOSFET、略してNMOSの記号。端子はゲート(G)・ドレイン(D)・ソース(S)の3つよ。

動画の画面(「あらためて、NチャネルMOSFET、略してNMOSの記号。端子はゲート(G)・ドレイン(D)・ソース(S)の3つよ。」の場面)
図 12

四国めたん

本当は4つ目の基板端子もあるけれど、今日はソースにつながっているとしましょう。

四国めたん:そして、ゲート・ソース間電圧VGSで、ドレインからソースへ流れる電流IDを調整するの。

動画の画面(「そして、ゲート・ソース間電圧VGSで、ドレインからソースへ流れる電流IDを調整するの。」の場面)
図 13

四国めたん

VGSと、ドレイン・ソース間電圧VDSを与えて、IDを見る回路よ。

四国めたん:ここで使う数値は、180 nmくらいのCMOSを想定した説明用の値よ。

動画の画面(「ここで使う数値は、180nmくらいのCMOSを想定した説明用の値よ。」の場面)
図 14

ずんだもん

電圧で電流が決まるって、回路理論で習った従属電源みたいなのだ!

動画の画面(「電圧で電流が決まるって、回路理論で習った従属電源みたいなのだ!」の場面)
図 15

四国めたん

いい視点ね。条件がそろうと、まさに電圧制御電流源として働くのよ。

四国めたん:その条件を、この回路で電圧を変えながら確かめていきましょう。

動画の画面(「その条件を、この回路で電圧を変えながら確かめていきましょう。」の場面)
図 16
動かしてみよう測定回路:VGS と VDS を変えて ID を見る

スライダー(またはキーボードの矢印キー)で電圧を変えると、IDと動作領域が変わります。VGSをVthより下げたときの電流の小ささにも注目。

5なぜ電流が流れる? 断面で見るチャネル

四国めたん

断面を見てみましょう。p型の基板に、n型のソースとドレインがあるの。

四国めたん:その上に、薄い酸化膜をはさんでゲートがのっているのよ。

動画の画面(「その上に、薄い酸化膜をはさんでゲートがのっているのよ。」の場面)
図 17

四国めたん

n+のソースとドレインには電子が、p型の基板には正孔がたくさんあるの。

四国めたん:正孔は、電子が抜けた穴が、正の電荷のように動くものよ。

動画の画面(「正孔は、電子が抜けた穴が、正の電荷のように動くものよ。」の場面)
図 18

ずんだもん質問

ソースとドレインの間はp型だから、電子は通れないのだ?

四国めたん

そう。境目のpn接合は、電子にとってはエネルギーの山。越えにくい壁なの。

四国めたん:だから、VGSが小さいうちは電流はほとんど流れない。これが遮断領域よ。

動画の画面(「だから、VGSが小さいうちは電流はほとんど流れない。これが遮断領域よ。」の場面)
図 19

四国めたん

ゲートに正の電圧をかけると、まず表面の正孔が押しのけられるの。

四国めたん:動ける電荷が少なくなったこの部分を、空乏層と呼ぶわ。

動画の画面(「動ける電荷が少なくなったこの部分を、空乏層と呼ぶわ。」の場面)
図 20

四国めたん

さらに上げると、表面に電子が集まって山が低くなり、ソースとドレインがつながるの。

動画の画面(「さらに上げると、表面に電子が集まって山が低くなり、ソースとドレインがつながるの。」の場面)
図 21

四国めたん

この電子の通り道をチャネル、または反転層と呼ぶの。

四国めたん:チャネルができ始めるVGSが、しきい値電圧Vthよ。このモデルでは0.4 Vにしてあるわ。

ずんだもん質問

通り道ができたら、電子はどっちへ流れるのだ?

四国めたん

VDSをかけると、電子は電界に押されて、ソースからドレインへ流れるの。

四国めたん:電子の電荷は負だから、電流の向きは逆。IDはドレインからソースへ流れるわ。

動画の画面(「電子の電荷は負だから、電流の向きは逆。IDはドレインからソースへ流れるわ。」の場面)
図 22

ずんだもん質問

VGSをもっと上げると、チャネルが太くなるのだ?

四国めたん

ええ。電子が増えるほど、電流が流れやすくなるのよ。

6ID–VGS特性と2乗則

四国めたん

VDSを一定にして、VGSとIDの関係をグラフにするとこうなるわ。

ずんだもん

Vthまではほぼゼロで、そこから増え始めるのだ!

動画の画面(「Vthまではほぼゼロで、そこから増え始めるのだ!」の場面)
図 23

四国めたん

VDSが十分大きく、しきい値より十分上では、IDはVGS−Vthの2乗にほぼ比例するの。

動画の画面(「VDSが十分大きく、しきい値より十分上では、IDはVGS−Vthの2乗にほぼ比例するの。」の場面)
図 24

ずんだもん質問

VGS−Vthって、しきい値をどれだけ超えたかなのだ?

四国めたん

そうよ。オーバードライブ電圧Vovと呼ぶ、とても大事な量ね。

動かしてみようID–VGS 特性(VDS 一定)

縦軸を対数に切り替えると、次の節のサブスレッショルド領域(Vthより下でも指数関数的に流れる電流)が見えます。

7IDの式の中身:μnCoxとW/L

ずんだもん質問

式に出てくるμnCoxとかW/Lって、何なのだ?

四国めたん

電流の大きさは、チャネルの長さあたりの電荷と、電子の平均の速さの掛け算で決まるの。

動画の画面(「電流の大きさは、チャネルの長さあたりの電荷と、電子の平均の速さの掛け算で決まるの。」の場面)
図 25

四国めたん

まずVDSが小さいときの電荷よ。ゲートとチャネルは、酸化膜をはさむコンデンサなの。

動画の画面(「まずVDSが小さいときの電荷よ。ゲートとチャネルは、酸化膜をはさむコンデンサなの。」の場面)
図 26

四国めたん

Q=CVの通り、VGSがVthを超えた分に比例して、チャネルに電子がたまるわ。

四国めたん:Coxは、酸化膜の単位面積あたりの容量。膜が薄いほど大きくなるの。

動画の画面(「Coxは、酸化膜の単位面積あたりの容量。膜が薄いほど大きくなるの。」の場面)
図 27

四国めたん

チャネルの幅Wをかけると、長さあたりの電荷は、ほぼCox·W·(VGS−Vth)になるわ。

動画の画面(「チャネルの幅Wをかけると、長さあたりの電荷は、ほぼCox·W·(VGS−Vth)になるわ。」の場面)
図 28

ずんだもん質問

じゃあ、電子の速さのほうは、何で決まるのだ?

四国めたん

電界に比例するわ。その係数が移動度μnで、電子の動きやすさを表すの。

動画の画面(「電界に比例するわ。その係数が移動度μnで、電子の動きやすさを表すの。」の場面)
図 29

四国めたん

ちなみに正孔は、電子より移動度が小さいの。後で見るPMOSで効いてくるわ。

動画の画面(「ちなみに正孔は、電子より移動度が小さいの。後で見るPMOSで効いてくるわ。」の場面)
図 30

四国めたん

Lはチャネルの長さ。電界はほぼVDS/Lだから、Lが短いほど電界が強く、速く進むの。

動画の画面(「Lはチャネルの長さ。電界はほぼVDS/Lだから、Lが短いほど電界が強く、速く進むの。」の場面)
図 31

四国めたん

掛け合わせると、VDSが小さいときのIDはこうなるわ。VDSに比例するのね。

動画の画面(「掛け合わせると、VDSが小さいときのIDはこうなるわ。VDSに比例するのね。」の場面)
図 32

ずんだもん

道幅Wが広いと電子が多くて、道のりLが短いと電界が強くて速く進む。だから増えるのだ!

動画の画面(「道幅Wが広いと電子が多くて、道のりLが短いと電界が強くて速く進む。だから増えるのだ!」の場面)
図 33

四国めたん

VDSを上げると、ドレイン側でチャネルが細くなって、電荷も速さも場所で変わるの。

動画の画面(「VDSを上げると、ドレイン側でチャネルが細くなって、電荷も速さも場所で変わるの。」の場面)
図 34

四国めたん

それを計算すると、電流は途中で増えなくなって、½の付いたさっきの2乗の式になるのよ。

動画の画面(「それを計算すると、電流は途中で増えなくなって、½の付いたさっきの2乗の式になるのよ。」の場面)
図 35

四国めたん

μnCox·W/LをまとめてKと書くわ。このモデルでは、K=2 mA/V²よ。

動画の画面(「μnCox·W/LをまとめてKと書くわ。このモデルでは、K=2mA/V²よ。」の場面)
図 36

8サブスレッショルド領域

ずんだもん質問

ところで、Vthより下だと、電流は本当にゼロなのだ?

動画の画面(「ところで、Vthより下だと、電流は本当にゼロなのだ?」の場面)
図 37

四国めたん

さっきは遮断と言ったけど、実はゼロではないの。縦軸を対数にしてみましょう。

動画の画面(「さっきは遮断と言ったけど、実はゼロではないの。縦軸を対数にしてみましょう。」の場面)
図 38

四国めたん

Vthより下でも、IDはVGSに対して指数関数的に流れているの。

四国めたん:これをサブスレッショルド領域、または弱反転領域と呼ぶわ。

動画の画面(「これをサブスレッショルド領域、または弱反転領域と呼ぶわ。」の場面)
図 39

四国めたん

このモデルでは、VGSが約90 mV変わるごとに、電流が1桁変わるの。

四国めたん:普通のMOSFETでは、常温で1桁あたり約60 mVより急にはならないのよ。

ずんだもん質問

ゼロじゃないなら、オフでも電流が漏れているのだ?

四国めたん

そう。チップに何十億個も並ぶと、無視できない漏れ電流になるの。

四国めたん:逆に、この小さな電流をあえて使う、超低消費電力の回路もあるのよ。

9ID–VDS特性と線形領域

四国めたん

Vthより上に戻りましょう。今度はVGSを固定して、VDSを変えてみるわ。

ずんだもん

最初はまっすぐ増えて、途中から平らになったのだ。

動画の画面(「最初はまっすぐ増えて、途中から平らになったのだ。」の場面)
図 40

四国めたん

さっきの式の通り、VDSが小さいところでは、IDはVDSにほぼ比例。抵抗のようね。

動画の画面(「さっきの式の通り、VDSが小さいところでは、IDはVDSにほぼ比例。抵抗のようね。」の場面)
図 41

ずんだもん

VGSを変えると傾きが変わるのだ。可変抵抗みたいなのだ!

四国めたん

ええ。この領域を線形領域、または三極管領域と呼ぶわ。

10ピンチオフ

ずんだもん質問

じゃあ、どうして途中から平らになるのだ?

動画の画面(「じゃあ、どうして途中から平らになるのだ?」の場面)
図 42

四国めたん

VDSを上げると、ドレイン端ではゲートとの電圧差VGD=VGS−VDSが小さくなるの。

四国めたん:だから、チャネルはドレインに近いほど細くなるのよ。

四国めたん:VGDがVthを下回る、つまりVDSがVGS−Vthを超えると、ドレイン端でチャネルが消えてしまうの。

四国めたん:これをピンチオフと呼ぶわ。

ずんだもん質問

チャネルが途切れたら、電流は止まっちゃうのだ?

四国めたん

止まらないわ。電子は途切れた部分を、強い電界で一気に運ばれるの。

四国めたん:電流の大きさは、チャネルの部分でほぼ決まる。だから平らになるのよ。

動画の画面(「電流の大きさは、チャネルの部分でほぼ決まる。だから平らになるのよ。」の場面)
図 43

11飽和領域と電圧制御電流源

四国めたん

グラフに戻りましょう。VGSを変えて何本か描くとこうなるわ。

四国めたん:境目はVDS=VGS−Vth。点線の左が線形領域、右が飽和領域ね。

動画の画面(「境目はVDS=VGS−Vth。点線の左が線形領域、右が飽和領域ね。」の場面)
図 44
動かしてみようID–VDS 特性と線形/飽和の境界

点線が境界VDS=VGS−Vth。VDSを境界より右へ動かすと、IDがほとんど変わらなくなります(少し右上がりなのはチャネル長変調)。

ずんだもん

飽和領域だと、VDSを変えても電流がほとんど変わらないのだ。

四国めたん

しかもIDの大きさはVGSで決まる。これがさっきの電圧制御電流源よ。

動画の画面(「しかもIDの大きさはVGSで決まる。これがさっきの電圧制御電流源よ。」の場面)
図 45

ずんだもん質問

だから増幅回路では、飽和領域で使うのだ?

四国めたん

その通り。増幅回路の話は、また今度じっくりやりましょう。

四国めたん:ただ、よく見ると少しだけ右上がりでしょう?これがチャネル長変調よ。

動画の画面(「ただ、よく見ると少しだけ右上がりでしょう?これがチャネル長変調よ。」の場面)
図 46

ずんだもん

完全な電流源ではないのだ。

四国めたん

ええ。これは次回くわしく見ましょう。

12まとめ:3つの動作領域

四国めたん

まとめましょう。MOSFETには、3つの動作領域があるわ。

動画の画面(「まとめましょう。MOSFETには、3つの動作領域があるわ。」の場面)
図 47

ずんだもん

VGSとVth、VDSとVGS−Vthを比べれば、どの領域かわかるのだ!

13PMOSとCMOSインバータ

ずんだもん質問

そういえば、最初に出てきたCMOSって、結局なんなのだ?

動画の画面(「そういえば、最初に出てきたCMOSって、結局なんなのだ?」の場面)
図 48

四国めたん

そのために、もう1つのMOSFET、PチャネルのPMOSを紹介するわ。

四国めたん:CMOSでは、p型基板の中のnウェルにPMOSを作るの。nとpがNMOSと逆ね。

動画の画面(「CMOSでは、p型基板の中のnウェルにPMOSを作るの。nとpがNMOSと逆ね。」の場面)
図 49

四国めたん

ゲートをソースより十分低くすると、表面に正孔が集まって通り道ができるの。

四国めたん:正孔は動きにくいから、同じW/Lで電圧の大きさもそろえて比べると、PMOSの電流はNMOSより小さいわ。

動画の画面(「正孔は動きにくいから、同じW/Lで電圧の大きさもそろえて比べると、PMOSの電流はNMOSより小さいわ。」の場面)
図 50

四国めたん

記号はゲートに丸を付けて区別するの。ソースを上に描くことが多いわ。

動画の画面(「記号はゲートに丸を付けて区別するの。ソースを上に描くことが多いわ。」の場面)
図 51

四国めたん

PMOSを上、NMOSを下に置いて、上のソースを電源VDDに、下のソースを接地につなぐわ。

動画の画面(「PMOSを上、NMOSを下に置いて、上のソースを電源VDDに、下のソースを接地につなぐわ。」の場面)
図 52

四国めたん

ゲート同士をつないで入力に、ドレイン同士をつないだ点を出力にするの。

四国めたん:入力が0 VならPMOSがオン、NMOSはオフ。出力はVDDにつながるわ。

動画の画面(「入力が0VならPMOSがオン、NMOSはオフ。出力はVDDにつながるわ。」の場面)
図 53

四国めたん

入力をVDDにすると逆。NMOSがオンになって、出力は0 Vになるの。

ずんだもん

入力と出力が、いつも反対になるのだ!

動画の画面(「入力と出力が、いつも反対になるのだ!」の場面)
図 54

四国めたん

ええ。これがインバータ。論理回路のNOTね。

四国めたん:VDD=1.8 Vで、入力を0からVDDまで変えると、出力はこう変わるわ。

動画の画面(「VDD=1.8Vで、入力を0からVDDまで変えると、出力はこう変わるわ。」の場面)
図 55

四国めたん

この例では、入力がVDDの半分の0.9 V付近で、出力が急に切り替わるの。

動かしてみようCMOS インバータ:VIN を動かす

この例ではPMOSのW/LをNMOSより大きくして、電流の流しやすさ(K)をそろえています(倍率は図の下に表示)。入力が0かVDDのときは、どちらかがオフで電流がほとんど流れません。

四国めたん

切り替わりをちょうどVDDの半分にするために、この例ではPMOSのW/LをNMOSの2倍にして、電流の流しやすさをそろえているの。

四国めたん:NMOSとPMOSが、互いを補い合って動く。だから相補型MOS、CMOSと呼ぶの。

ずんだもん質問

片方がオフになると、何がうれしいのだ?

四国めたん

入力が0かVDDで止まっているときは、どちらかが必ずオフ。電流がほとんど流れないの。

四国めたん:だから消費電力が小さい。今のICのほとんどがCMOSなのは、このためよ。

動画の画面(「だから消費電力が小さい。今のICのほとんどがCMOSなのは、このためよ。」の場面)
図 56

ずんだもん

最初の「今のICはCMOS」の意味が、やっとわかったのだ!

動画の画面(「最初の「今のICはCMOS」の意味が、やっとわかったのだ!」の場面)
図 57

14次回予告

四国めたん

次回は、途中で見た少し右上がりの傾き、チャネル長変調をくわしく見ましょう。

動画の画面(「次回は、途中で見た少し右上がりの傾き、チャネル長変調をくわしく見ましょう。」の場面)
図 58

ずんだもん

少し分かってきたのだ!最後まで読んでくれてありがとうなのだ!

数値は180nm CMOSくらいを想定した説明用の値です。グラフ・回路の数値はすべて説明用の簡単なモデル(NMOS:K = 2 mA/V²、Vth = 0.4 V、λ = 0.1 V⁻¹、サブスレッショルド係数 n = 1.5)から計算しています。実際のデバイスの値とは異なります。

動画のクレジット

  • VOICEVOX:ずんだもん
  • VOICEVOX:四国めたん
  • 立ち絵:坂本アヒル